第二百八十四話 テストが終わってその二
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「そうします、ですが」
「明日からですね」
「飲みたいですね」
その気持ちうも率直に話した。
「明日からは」
「左様ですか」
「今日は疲れていますけれど」
だからお酒は控えるけれどだ。
「明日からはです」
「疲れが取れているので」
「はい」
それからだ。
「ゆっくりとです」
「飲まれますか」
「それで飲むのは」
それはだ。
「おつまみは和食がいいですね」
「お刺身等ですか」
「あとお豆腐も」
こちらも実際に食べたいと思っている。
「あと枝豆とか卵焼きも」
「居酒屋のメニューですね」
「そうですね」
畑中さんに笑って答えた。
「このメニューは」
「そうですね、確かに」
「あと鶉のゆで卵も」
「どんぐりといいますね」
「それも食べたいですし」
それにだ。
「後烏賊を焼いたものや蛸の揚げたものを」
「まさに居酒屋ですね」
「焼き鳥に。それと和食ではないですが」
それでも食べたいと思ったものもだ、僕は畑中さんに話した。そのメニューは一体何であるかというと。
「ソーセージ―もです」
「そういえばそちらもですね」
「居酒屋の定番ですね」
「まさに」
「それと焼きそばも」
これもだ。
「刺身と被りますがカルパッチョも」
「ではです」
ここまで聞いてだった、畑中さんは僕にお話してくれた。
「八条駅の駅前の商店街に行かれては」
「そちらにですか」
「はい、浪漫灯籠というお店に」
「太宰の作品のタイトルみたいですね」
「何でも最初にお店を開いた人がです」
その人がというのだ。
「太宰の生前の頃から読んでいたそうで」
「太宰の作品を」
「はい、それでです」
「太宰のファンで、ですか」
「その名前にしたとか」
「そうだったんですか」
「他には坂口安吾も好きだったとか」
この作家もというのだ。
「ですが坂口安吾の作品ではです」
「お店の名前にはですか」
「しにくかったそうで」
「坂口安吾の代表作は」
僕の知っている限りではだ。
「二流の人とか白痴とか」
「あとは堕落論ですね」
「確かにですね」
そうした題名で思った。
「お店の名前にはしにくいですね」
「左様ですね」
「それで、ですか」
「その名前にされたそうです」
「浪漫灯籠にですか」
「流石に斜陽や人間失格は出来なかったそうで」
太宰の代表作二作だ。
「それでいい名前ということで」
「その名前にしたんですね」
「初代の方がお話されていました」
「そうでしたか」
「それは私が三十位の時に聞きました」
「その頃ですか」
「その頃はまだ昭和二十年代で」
かなり昔である。
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