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曇天に哭く修羅
第四部
Dブロック
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決まると逃げられない『()(ごろ)し』の連続コンボが如く、為す術の無いまま吹き飛び続ける紫闇を殴打する。

しかし焔は気付いていた。


(防壁が硬いね。直撃してるのにあんまり変化が見られない。ダメージは受けてるけど、それも攻撃の積み重ねによるものだし)


対する紫闇は心地良かった。

あの焔が自分を仕止める為に全力で攻撃を仕掛けてきているのだから。

彼の夢が一つ叶ったのだ。


(俺は今、焔と実戦をしているッ!)


紫闇は焔の連撃から抜け出す。

小細工なしの勝負をする為に真っ向から打ち合って、攻撃・防御・回避・反撃。

基本ステータスでは引けを取らない筈なのに一発も当たらず一度も(かす)らない。


(そうだ。これが黒鋼焔。俺の師匠。無意識の内に諦めて悩んだことすら無い。俺は下で焔が上だと当たり前に思ってた)


しかし今は違う。

制服があちこち破れても、皮膚から血が出てきても、自分の顔が()れ始めても、紫闇が焔に劣等感を感じないのだ。

だがそろそろ崇拝者で居るのも終わり。

賞賛はすれど焔は越えるべき壁だから。

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