惚れた腫れたの話
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「提督、大本営からお手紙が……」
「シー……Be quietよ、よどっち。darlingはおねむデス」
見れば、執務机の椅子に腰掛け、腕組みをしたままコックリコックリと船を漕いでいる。
「ここの所特に忙しかったですからね。大規模作戦に、本土からの書類の絨毯爆撃に……」
「大体、darlingは普段から忙しすぎマース。もう少し自分の身体を労って欲しいのデスが……」
そう言って悲しそうに提督の顔を見つめる金剛さん。確かに、他の鎮守府の提督に比べてもウチの提督はかなりのハードワークだ。通常の執務は勿論、運営資金調達の為の護衛依頼等の交渉や、艦娘達への訓練、ブルネイ地方の纏め役としての仕事に加え、艦娘達を労う為のBarの経営と。文字に起こしただけでも目の回りそうな忙しさだ。合間を見て休憩は取るようにしているが、そこを見計らってやって来る嫁艦のメンテナンス(意味深)をするために休憩は休憩の意味を為していない。言ってみれば、睡眠時間として確保している6時間以外はほぼ働き詰めと言っても過言ではない。
「だからこそ、ワタシ達で出来る仕事はワタシ達でこなしてしまうのデス」
ふんす、と提督の机の上の書類の山を自分の机に移動させる金剛さん。普段のおちゃらけた雰囲気など微塵も感じさせない、夫を支える貞淑な妻といった空気を発しながら無言でペンを走らせる。
「微力ながら、お手伝いします」
私もやりますか、と提督の机の上の書類を一山抱える。これでも私も、提督のお嫁さんですからね。……カッコカリですけど。
カリカリとペンを走らせる音だけが響く室内。提督は相変わらず夢の中だし、金剛さんとも言葉を交わさない。仲が悪い訳じゃなく、お互い声を掛け合わなくても何をして欲しいか解る程度には一緒に仕事をしているからだ。静寂に包まれた執務室、その静寂は唐突に破られそうになった。
「提督ぅ、航空隊の訓練終わったよ〜!」
「お茶しよお茶!もうすぐ15時だし!」
「「しぃーっ!」」
思わず金剛さんとハモってしまった。やって来たのは我が鎮守府の誇る腹ぺこコンビ、ニ航戦の蒼龍さんと飛龍さん。普段あまり海域攻略には出ない代わりに、鎮守府周辺の対空監視と航空隊の訓練を担当している。その訓練の厳しさは加賀さんや赤城さんも認める所で、航空機妖精さん達からは提督よりも恐れられている鬼教官だったりする。
「ありゃ?提督寝てるんだぁ」
「最近忙しかったもんねぇ。ふふっ、寝顔か〜わいっ♪」
ニ航戦の二人は遠慮なく提督に近寄って、まじまじと提督の寝顔を観察している。飛龍さんなど提督の寝顔が可愛いとほっぺをツンツンしている。可愛い?そのしかめっ面のどこに可愛い要素があるのだろう?
「え、なんかブルド
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ