第六十話 朝早くからその五
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「一体」
「やれやれね。けれどね」
「けれど?」
「あの子はもうすぐ来るから」
このことは間違いないというのです。
「千里も用意しておきなさいね」
「お母さんがそう思うなら」
それならです。
「用意するわね」
「そうしなさいね、今から」
「本当にそんな早くに来るのかしら」
私はまさかと思っていました、ですが。
丁度用意が終わって八時にでした、お家の玄関が開く音がしてあの声でお邪魔しますと言ってきました。
するとお母さんも妹達も笑って私に言ってきました。
「行ってきなさい」
「お姉ちゃんが行ってね」
「そうしてきてね」
妹達も春休みなのでお家にいます、それでもです。
私だけを行かせます、それで大石さんも言ってきました。
「最初はお茶を飲んでね」
「お茶ですか」
「そう、それでね」
そのうえでというのです。
「二人でお参りするのもいいわよ」
「教会の祭壇で」
「ええ、そうしてもね」
「はい、そういえばお父さんは」
今気付きましたが朝ご飯の後見ていないです。
「何処かしら」
「お庭でお掃除してるわよ」
お母さんがすぐに答えてくれました。
「お父さんなら」
「そうなのね」
「とにかくね、もうすぐ来るから」
「用意をしてよね」
「お洒落もしなさい」
「お洒落もって」
「千里まだ髪の毛も整えてないでしょ」
「お顔は洗ったわよ」
「それでも髪の毛もまだぼさぼさだし」
それでというのです。
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