第百四十七話 巨獣その十三
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「中身がそうであるとな」
「許さんのやね」
「そうした輩は性根を鍛えなおすべきじゃのう」
紅茶を飲みながら真剣な顔で言った。
「江田島にでも放り込んで」
「海上自衛隊幹部候補生学校か」
江田島と聞いてだ、玲はこの学校の名前を出した。
「かつて海軍兵学校やった」
「そうじゃ、あそこに放り込んでじゃ」
そのうえでというのだ。
「その性根を叩きなおすべきじゃ」
「もう徹底的にやね」
「あそこの地獄の教育を受ければじゃ」
海軍兵学校の伝統をそのまま残している、それだけにこの学校の教育は徹底して厳しいものであるのだ。
「相当腐った性根もなおる筈じゃけえ」
「まあそやね」
小雪はシュークリームを食べつつ碧の言葉に頷いた。
「私等あそこには部活の合宿の時とか研修で行くけど」
「鬼の様な訓練をしとるけえ」
「それで立派な自衛官さん達育ててるさかい」
それも指揮官である幹部自衛官をだ。
「そのことを思うと」
「仏門、それも禅宗かじゃ」
「江田島やね」
「そうしたところに放り込んでじゃ」
「性根叩きなおすべきやねんね」
「わらわはそう思うけえ、ただ」
碧もシュークリームを食べた、そのうえで言った。
「テレビのコメンテーターとか司会者の結構な数の連中はじゃ」
「もうそうしたところに送ってもやね」
「なおらんのう」
更正しないというのだ。
「ヘドロはもうヘドロから戻らんけえ」
「どうしようもない屑は屑のままやね」
玲もこう述べた。
「要するに」
「そういうことじゃけえ」
「そやな、人は相当腐ってても更正出来るにしても」
「その相当を越えたらじゃ」
「何しても更正せんな」
「わらわの知ってるアホ男の話じゃ」
こう前置きしてだ、碧は話した。
「働かないで奥さんに食べさせてもらって料理も作ってもらってその料理の味にいつも文句を言って家事は殆どしないで自分の買いものばかりして偉そうに言う」
「うわ、離婚一直線や」
愛はその男の話を聞いて即座にこう言った。
「間違いないわ」
「奥さんの実家の悪口も言ってじゃ」
「余計にあかんわ」
「実際に離婚して更正の為にある宗教のお世話に数ヶ月なったんじゃが」
「更正せんかったんやね」
「その宗教の組織の仕組みに文句ばかり言う様になったけえ」
「教えを学ばんで」
愛は眉を顰めさせて述べた。
「そのうえで」
「そうじゃ、それで身体壊してた自分の叔父さんに窘められて殴ってやろうかと言ってじゃ」
そうしてというのだ。
「自分を甘やかす母親の家に入り浸って金貰って大飯食ったんじゃ、そこに母親以外の家族はおっても図々しくお邪魔しますも言わず上がり込んでじゃ」
「屑過ぎるやろ」
愛は今度は呆れかえった。
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