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夢幻水滸伝
第百四十七話 巨獣その十二

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「玲ちゃんもやろ」
「相手は一人か」
「そう思ってるやろ」
「それはな」
 玲は顔を少しだけ赤くさせて愛の言葉に答えた。
「私にしても」
「やっぱりそやね」
「あれもこれもとかな」
「玲ちゃんの好みやないやろ」
「変な漫画でちゃらい男にすぐに陥落とか」
「ちゃんとした相手の人がおっても」
「想像も出来んわ」
 ここで玲はこんなことも言った。
「私以外の娘でも」
「そやね」
「何でそうなるんや」
 玲はその疑問を心から呈した。
「性格はいい加減で軽薄で無教養でまともな考えもモラルもない」
「言うなら最低やね」
「そんな奴に普通の相手捨てていくとか」
「よく漫画であるけど」
「中身何もないアホとかドキュンとか」 
 それこそというのだ。
「付き合う方がおかしいわ」
「世の中そんなんと付き合う娘もおるけど」
 それでもとだ、愛は述べた。
「そうした娘は大抵同じレベルやね」
「現実はな」
「いい加減で軽薄で無教養でまともな考えもモラルもない」
「如何にもアホそうな」
「そんな娘やね」
 外見からしてわかるというのだ、これは人間としての中身がそのまま外、ファッションやメイクや髪型に出ているということであろう。
「そうした人と付き合う人は」
「そやな」
「うむ、わらわはそうしたおのこは大嫌いじゃ」
 碧はきっぱりと言い切った。
「おなごもであるが」
「碧ちゃんいつも服装きっちりしてるし」
「そうじゃ、制服のスカートは短いが」 
 碧は愛にも答えた。
「しかしじゃ」
「寮の生活でも」
「整理整頓、清潔は心掛けておるぞ」
「そやね」
「大和撫子たらんじゃ」
 碧は腕を組んで言い切った。
「そう思っておる」
「それでやね」
「わらわは自分のことはじゃ」
 まさにとだ、愛そして玲と小雪に話した。
「整理整頓、清潔をじゃ」
「心掛けてるんやね」
「制服にはアイロンをかけてじゃけえ」
 このことは実際にしている。
「洗濯も忘れぬ」
「毎日してるね」
「おなごは洗濯ものが多いのじゃ」
 男と比べてそうだというのだ。
「それでじゃ」
「洗濯もやね」
「欠かさぬ」
 決してというのだ。
「そうしておる」
「そやね」
「そしてじゃ」
 碧はさらに話した。
「ちゃらいおのこやおなごはな」
「嫌いやねんね」
「只のファッションなら文句は言わぬが」
 それでもというのだ。
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