第二幕その六
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そしてです、その次の日でした。皆はある村に着きました。その村は皆が楽器を奏でて歌っていてです。
踊っています、その様子を見てでした。
つぎはぎ娘はとても楽しそうにこう言いました。
「本当にね」
「皆歌って踊ってるでしょ」
「音楽もかかっていてね」
「この村がなのよ」
ドロシーがそのつぎはぎ娘にお話します。
「昨日私が言ってたね」
「ダンスの村ね」
「あらゆる踊りが踊られるね」
「そうなの、そしてね」
「日本の踊りもあるのね」
「そうよ、そしてね」
ドロシーはつぎはぎ娘にさらにお話しました。
「歌舞伎や能もあるわ」
「藤娘もなのね」
「あるわよ、ただね」
「ただ?」
「何処で踊っているかはね」
このことはというのです。
「私はわからないわ」
「日本の音楽は独特だからね」
ここでかかしが知恵を出しました。
「その音楽を耳で探せばいいよ」
「そうね、日本の昔の音楽よね」
「そうだよ」
かかしはつぎはぎ娘に答えました。
「今の日本の音楽じゃないよ」
「今の日本の音楽大好きだけれど」
「うん、けれど今のだからね」
「昔のとは違うわね」
「だからすぐにわかるよね」
「ええ、三味線とか琵琶とか琴とか鼓とか使った」
「そうした音楽を探せばいいよ」
「そうさせてもらうわ」
是非にとです、つぎはぎ娘はかかしの言葉に頷いてでした。
そのうえで耳で昔の日本の音楽を探しました、すると村の東の方を見て皆に飛び跳ねて言いました。
「あっちに聴こえたわ」
「あっ、そうだね」
「あっちの方だね」
臆病ライオンと腹ペコタイガーも言います。
「村の東の方から聴こえるね」
「昔の日本の音楽がね」
「あっちに行けばね」
それでとです、つぎはぎ娘は言いました。
「昔の日本の踊りも踊れるわね」
「日舞に」
木挽きの馬もつぎはぎ娘に言います。
「歌舞伎や能の踊りもね」
「踊れるわね」
「そうだと思うよ」
「じゃあ踊りましょう」
「そこまで行ってだね」
「そうしましょう」
「うん、僕も行かせてもらうよ」
ジャックも言ってきました。
「そちらにね」
「昔の日本の音楽の方になのね」
「それで踊らせてもらうよ」
昔の日本の音楽をというのです。
「是非ね」
「あんたも藤娘踊るの」
「そこまでは考えていないけれど」
それでもというのだ。
「躍らせてもらうよ」
「昔の日本のそれを」
「そうさせてもらうよ」
「さて、じゃあつぎはぎ娘の踊りを見せてもらおうかな」
樵は陽気な声で言いました。
「これからね」
「思う存分見てね」
「そうさせてもらうよ」
樵はつぎはぎ娘に答えました。
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