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ドリトル先生と琵琶湖の鯰
第二幕その五

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「同じ兵庫県でも」
「それで滋賀県でもだね」
「地域ごとの違いが顕著なんだ」
 オシツオサレツが二つの頭でいいました。
「日本の他の都道府県と同じで」
「そうなのかな」
「何かここまで地域ごとに違うってね」
 ホワイティは首を傾げさせました。
「そうないんじゃ」
「都道府県で一括りにしても」
 それでもとです、ガブガブも言います。
「それで終わりじゃないね」
「というか何でこんなに地域ごとの違いがあるのかな」
 老馬はそこが疑問でした。
「そもそも」
「それは日本には藩があったからだよ」
 先生は皆にお話しました。
「江戸時代にね」
「ああ、三百も藩があったね」
「あの頃の日本は」
「それぞれの藩が治めていて」
「日本はとても沢山の国がある状況だったね」
「その藩があったからね」
 それでというのです。
「だからだよ」
「それでなんだ」
「日本の都道府県の中でも地域ごとの違いがあるんだ」
「藩ごとに違っていたから」
「それでなの」
「そうだよ、僕達が今いる兵庫県でもそうで」
 そしてとです、先生はさらにお話します。
「そしてね」
「他の都道府県も同じだね」
「滋賀県にしても」
「そういうことなのね」
「例えば彦根は彦根藩だったんだ」
 この藩の場所だったというのです。
「井伊家が治めていたね」
「それで彦根は彦根で」
「同じ滋賀県でも他の地域とは違う」
「そうした地域なのね」
「そうだよ、だからね」
 それでというのです。
「そうしたことも見ていくとわかって面白いよ」
「イギリスにもそういうのあるけれどね」
「同じイギリスの中でも」
「州ごとに違っていて」
「地域ごとの個性ってあるね」
「特にね」
 動物の皆はさらに言いました。
「四つの国で違うからね」
「イギリスの場合は」
「イングランドとスコットランド、ウェールズとアイルランド」
「その四つの地域でね」
「個性が違うんだよね」
「そのことは世界的に有名だね」
 先生は皆に微笑んで応えました。
「イギリスの四つの国の違いは」
「そうそう」
「イギリスの旗にも出ているし」
「あのユニオンジャックにもね」
「しっかり出ているしね」
「そのこともわかるとね」
 実際にというのです。
「面白いしね」
「日本もそれは同じだね」
「そういえば北海道と沖縄で全然違うし」
「むしろ藩が三百以上もあったから」
「その分地域ごとの個性が出ているんだ」
「そうだよ、滋賀県のそうしたところも学びたいよ」
 滋賀県のそうしたところも学びたい、こう言ってでした。
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