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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga11-B勝敗の行方〜victory or defeat〜
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となれば、やはり生まれ変わりか。クローンを疑ったが、当時にクローン技術は無かった。

「フォード・テルスター・スリュムヘイム。お前なのか?」

「・・・。知らねぇな、そんな奴」

「(コイツ、知っているな。さて、どうやって引き出すか・・・)フォードよ、憶えているか? お前の父、先代スリュムヘイム王が大兵力を率いてアールヴヘイムに侵攻した戦闘。無謀にも当時すでに若いながらも炎熱系最強と謳われていたステアに挑み、無様に返り討ちに遭って炭にされた愚か者のこと」

「・・・」

目の前の男がフォードの生まれ変わりで記憶を受け継いでいるのなら、自分の父親の死を侮辱した俺に怒りを覚えるだろう。気持ちの良いものじゃないが、この男のことを少しでも知らないといけない。コイツを出発点に“T.C.”を探っていこう。

「さっきから何言ってんだ、あんた。スリュムヘイムとか王とかステアとか、どれもこれも知らないっつうの」

「そうか。なら、少し俺の話に付き合ってくれ。互いに沈黙だと苦痛だろ?」

何の返事もしないコイツに向かって、俺は「まずはそうだな。さっき話したフォードという男がだな」と話し始めた。最初にフォードを確認したのはムスペルヘイム侵略戦。そこでフォードは、父の仇であるステアに一目惚れして、気持ちの悪いストーカーになった。

「笑わせるだろ? その時は父親の仇と知らなかったとはいえ敵軍の幹部に婚姻を迫るとか!」

「・・・別に普通じゃね? 知らなかったんだしさ」

「いやいや。敵だぞ? しかも戦闘の真っただ中。さらに言えば一方的にやられ、まさに殺されそうになっていた時にだぞ? あり得ない」

やれやれと肩を竦めて嘆息すれば、コイツは舌打ちをしてそっぽを向いた。それから俺は、ステアの参加する戦闘にのみに限りフォードが前線に出るようになったこと、仲間と共闘してステアを追い詰めたにも関わらずトトメではなく求婚し、そして俺たち“アンスール”の反撃を受けて敗走をしたこと、ステアに執心していることでスリュムヘイムの部下から呆れられていたこと、スリュムヘイムを見限って優良な魔術師がヨツンヘイム・ヴァナヘイム・ウトガルドに流れたこと、四王内で馬鹿にされていたこと、などを伝えていく。

「なぁ、あんた。俺様と全く無関係な話をずっとしてて飽きねぇのか? 俺様は眠くなってきたぜ?」

「そうか? 俺が話すたびにお前の背中から感じるぞ? 顔を見えずともお前の感情が揺れ動いているのが」

「言ってろ、間抜け」

続けて俺が知るフォードという王の失敗談を話し続ける。フォードは大戦時、特に前線に出現することが多い王として有名だった。何せステアが戦場に立てば100%現れるんだからな。他に重要な作戦時などにもよく顔を出していたし、四王で最も言葉
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