マルコーさんは肩凝り、ヒロインは頑張ります、免許ないけど
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男性の名前はティム・マルコー、黒髪で白髪混じりの小柄な男性の自宅兼診療所に住まわせてもらっているのだが、目が覚めるたびに今日で何日目だろうと思ってしまう。
追い出される事もなく、図々しく一日、三食つきの日々を過ごしている自分に正直、呆れてしまうのだ。
でも、何処に行けばいいのか分からないのだ、だから少しでもお礼代わりといってはなんだか、部屋の掃除や洗濯をしているのだ。
驚いたのはマルコーさんは料理が趣味で作るのが好きらしく、スープ、サラダ、メインディッシュという、おしゃれなカフェメニューを出されたときには驚いた、しかも、この間はクッキーまで焼いてくれて、紅茶が美味しかったこと。
奥さんは幸せ者ですねと言ったら、今までずっと一人だと言われて、余計な事を言ってしまった、失言だと思ったが、本人は気にしていないようでほっとした。
ずっと研究職で医師を続けていると言われて、ああ、そういう人は少し前なら日本にもいたなあと思ってしまった。
あと、顔だと言われた、顔全体が火傷でもしたみたいに皮膚が爛れているけど、そんなにひどいとも思わない、映画、アクションやホラーが好きなので顔の表面が火傷したからって、そんなに、ひどいと思ってしまうのだ。
普通の人間が、へへへと笑って金槌やチェーンソーを持って追いかけてくる方がよっぽど怖いと思ってしまうくらいだ。
顔のいい男が世の中、全てなんて嘘だ、今ならよくわかる。
それに料理のできる男が、どれほど貴重な存在か、知らないのだろうか、世間の女は。
天気のいいうちに洗濯物を干す、履き古したブリーフを見ながらゴムが伸びてるし、これ一枚、もらえないかなと思った。
替えの下着がないのでズボンの下は○ーパン、ついでにいうと少し前に買ったスポーツブラでかぶれてしまい、ここ最近、○ーブラで裸族だ。
海外旅行で日本人が身ぐるみ剥がされ、レ○プされて殺されたりとか悲惨なニュースを思い出すと自分は運が良いなんてもんじゃない、マルコー先生の部屋に足向けて寝られない。
掃除と洗濯だけでは駄目だ、もっと働かないと。
土地勘もないのに追い出されたら行き倒れて悲惨な未来が待っているのは確実だ。
最初は体でも売ってでもと思うが、あれは若い女だから簡単で手っ取り早い方法だ、三十路のババアには需要も未来はない、美人なら少しはましかもしれないが。
(化粧すれば少しは牛丼の中盛りぐらいにはなるかな)
そんな事を思いながら家の中に入り時計を見ると、もうすぐ昼だ、帰って来るかもしれにない、今日は朝から往診に出かけていて留守なのだ。
見ず知らずの人間を残して家の中の物を盗んで逃げたりするとか、考えないのだろうか。
少しは信用してくれているということだろうか、それなら少しはほっとするというか、安心できるのだ
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