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出した本性
第二章

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「大衆は動くからね」
「いいですよね」
「じゃあこれからもですね」
「宣伝していきますね」
「何かと」
「そうしていくよ」
 自分のもっと言えば番組スタッフの主張をとだ、区目はスタッフ達に笑って話した。そうしてだった。
 月曜から金曜の十時から毎日の放送で自分達の言いたいこと、考えを喧伝した。すると視聴者達は実際に番組の言うことを鵜呑みにした。
「テレビが言ってるしな」
「正しいよな」
「テレビは嘘吐かないしな」
「その通りだよな」
「不況っていうのも」
 区目は毎日番組でこう言っていた。
「その通りだな」
「実際景気悪いしな」
「この不況中々終わらないな」
「そうだよな」
 こう考える者が多かった、だが。
 一部の者は区目がいつも言っている不況という言葉に思った。
「病は気からだよな」
「区目が毎日不況だって言ってるの聞くとな」
「どうしてもそう思うよな」
「今景気が悪いってな」
「けれど日本そんなに景気悪いか?」
 区目が言ってる様にというのだ。
「そもそも」
「バブルの頃は異常にしてもな」
「そこまで悪くない筈だぞ」
「実際は失業率もそんなに高くないぞ」
「倒産した企業の数もな」
「EU各国よりずっといいぞ」
「確かに景気がいいとは言えないまでも」
 それでもというのだ。
「深刻じゃないぞ」
「そもそも区目は経済学者か?」
「何時も出ている毎朝の編集委員も経済の専門家じゃないだろ」
「専門家じゃない奴が色々言ってもな」
「経済のことよくわかってないだろ」
「国全体の貯蓄が千二百兆以上あるのにそんなに悪いか」
 そもそもというのだ。
「そこまで悪い筈ないだろ」
「マスコミ全体がそうだが区目は不況煽ってないか?」
「それで首吊る人いたら責任重いぞ」
「区目はわかってやってるのか?」
「やってたら責任重大だぞ」
「他にも色々言ってるけれどな」
 政府や与党ひいては日本を攻撃し続けているがというのだ。
「全部本当か?」
「嘘混じってないか?」
「従軍慰安婦は実際嘘だろ」
「日本軍は素人さん拉致してないだろ」
 このことは実はすぐに明らかになっていたのだ。
「それ番組で訂正しないのか?」
「そうしないのか?」
「大変なことだろ」
「外交問題になってるぞ」
「系列の新聞が言い出した話だけれどな」
「何も言わないのかよ」
 このことについて疑問に思う者が出て来た、そして不況のことは特に。
「区目は毎日不況って言ってるな」
「何かあれば言うよな」
「言わない日ないぞ」
「それで自分はどうなんだ?」
「年五億あの番組で貰ってるんだよな」
「五億貰ってて不況か?」
「何かおかしいだろ」
 自分のその収入を見てというのだ。
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