第三章
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船で都から淀川を下って摂津に着きそこからまた船で讃岐まで来た、一級の供をしている蜷川親当は讃岐に着くと驚いた顔で言った。すっきりとした顔立ちに引き締まった身体をしている長身の男だ。
「いや、都から讃岐までこんなに速く着くなんて」
「はい、足や馬よりもです」
一休はその新右衛門に微笑んで話した。
「こうしてです」
「船を使うとだね」
「すぐに着けます」
「都から讃岐まで」
「それだけ船は速いのです」
「歩くよりも速くしかも常に進んでいるから」
「そうです、ではこれからです」
「七人ミサキをだね」
「鎮めましょう」
こう蜷川に話してだった、一休は七人ミサキが出るという海の傍まで向かった。そうして丘からだった。
その海を見て蜷川に話した。
「確かにいますね」
「その七人ミサキがだね」
「はい、恐ろしい邪気を感じます」
「怨霊の邪気だね」
「それも七人分です」
「まさに七人ミサキだね」
「はい、それでは今からです」
一休は真剣な顔で蜷川に話した。
「彼等を鎮めます」
「しかし一休さん」
蜷川は落ち着いた態度の一休にどうかという顔で述べた。
「七人ミサキというだけあって」
「はい、七人いますね」
「そう、それでね」
「一人成仏しても」
「また新たに一人入るというし」
「それは憑いて命を奪った場合で」
「祓う場合は関係ないんだね」
一休のその言葉を聞いて述べた。
「その場合は」
「はい、ただ」
「ただっていうと」
「おそらく七人ミサキは常に七人です」
その名の通りというのだ。
「ですからここで私が一人祓っても」
「何処からかすぐにまた一人入って七人のままかな」
「そうなるかも知れません」
「なら同じだね」
「そうですね、憑いて殺して一人成仏しまた一人入る場合と」
「これは厄介だよ」
「なら一度にです」
一休はやはり落ち着いた声で蜷川に話す。
「鎮めればいいのです」
「一人一人で駄目ならば」
「そうです、ですから今から七人に向けてお経を唱え」
七人ミサキ全員にというのだ。
「お祓いの儀もです」
「七人ミサキ全体にだね」
「します、ではこれより」
「七人全体を一度に鎮めるとなると大変だろうに」
「御仏はそうした時の為のお経や儀も用意していますので」
一休は蜷川に微笑んで答えた。
「ご安心を、では今から」
「お経を唱えて儀を行って」
「鎮めます」
こう言ってそうしてだった。
一休はその場でお経を唱えそのうえで儀を行った、それが終わると一休は蜷川に微笑んで話をした。
「これで、です」
「七人ミサキはだね」
「七人同時に鎮めましたので」
それでというのだ。
「もう大丈夫です」
「一人一人で駄目ならだね」
「一
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