第八章
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「その場合もありますね」
「そう、この提案が採用されて僕の手柄にするか」
「他の方に譲るか」
「それで恩を売る場合もあるしね」
「そこは政治ですね」
「そうなるよ、幾らいい提案でも」
それでもとだ、大泉はさらに話した。
「それは主観でね」
「抜けがあったりもしますね」
「だから他の人にもチェックしてもらって」
「そしてですね」
「国会で通る」
「そうならないとですね」
「閣議決定でもね、そうならないと」
幾ら日本にとってよい政策でもというのだ。
「意味がないから」
「通る様にする」
「そうしないといけないから」
「まだまだですね」
「やるべきことがあるよ、しかし」
ここでだった、これまで自衛隊の兵器のコストのことばかりに目を向けていた大泉はその視線を松田に向けた。
そのうえでだった、彼にこう尋ねた。
「松田さんここで出て来たね」
「実は今まで、です」
「僕を見ていたんだね」
「はい、お父様は政策や法案だけでなく」
「そうしたことまでだね」
「専門家との話し合いや党への根回しもです」
そうしたこともというのだ。
「されていました」
「僕がそこまで考えているか」
「見させてもらっていました」
「そしてさっき僕が言わないと」
「お話させてもらうつもりでした」
「いい提案でも実現しないとね」
「よくないので」
松田もこう言うのだった。
「若し、と考えていました」
「成程ね」
「ですが言われましたので」
今の様にというのだ。
「私はこれ以上はも吸い上げません」
「政治はそこまで必要だね」
「国益の為に正しい政策や法案を出し」
「学んで」
「そしてです」
そのうえでというのだ。
「それを通す努力をする」
「そうしないと駄目だね」
「左様です、ではこれからもです」
「やっていくよ」
大泉は松田に微笑んで応えた、そのうえで今度は自身の提案について専門家も交えて検証しまた通す努力をしていった、そうして。
自衛隊の兵器についての自分の提案が通ってから松田に言った。
「さて、次は」
「法案ですね」
「安保の法案だけれど」
「そちらについてですね」
「まずは学んでいくよ」
次はそうするというのだ。
「政治家は休んではならない」
「常に国益を求めるものであり」
「常に学んで検証して努力していく」
「お父様もそうでしたし」
「僕もそうしていかないとね」
松田に笑って述べた、そして次は法案に向かうのだった。
高コスト 完
2020・3・17
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