第十三話〜事務〜
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にかく書類。少なくとも一日で処理できる量を超えている。
それを見て流石に見ないふりはできないと思ったライは提案する。
ライ「僕が見ることができる書類だけでも整理しようか?」
はやて「ふぇ?」
ライの提案が意外だったのか間抜けな声を出し、呆けた顔をしながらライを見上げるはやて。その表情を見て口元が緩むのを自覚しながらも言葉を続ける。
ライ「前の世界では生徒会の書類仕事とか、“職場”の方でも書類作成や処理をしていたから専門的なのはできなくても簡単なのは出来ると思う。」
ここまで運んだ書類の中にはライでもわかる程度のものあったためその提案をした。
その提案をされたはやては救世主でも見るような目線をライに送りながら提案を受け入れた。
書類仕事を二人で処理し始めて二時間。机の上の書類は半分近く減っていた。当初は雑用的な書類のみを渡していたが、ライ自身の処理能力の高さと手際の良さからそれ以外の書類も担当してもらっていた。それでも機密に関わるものは避けていたが。ちなみライはミッド語は普通に読み書き出来るようになっている。元の世界の主流言語が英語だったために、英語と酷似していたミッド語は簡単に覚えれることができた。
ある程度書類が一段落し、休憩しようと思いはやてがライに声をかける。
はやて「ちょっと休憩しよか。コーヒーいる?」
ライ「うん…ありがとう…」
手を止めずに返答するライに苦笑しながらも、部屋に備え付けのコーヒーメーカーを使いコーヒーを準備する。部屋に香ばしい匂いが立ち込めていく。
鼻腔をくすぐる香りが届き顔を上げるライ。はやてはライにコーヒーの入ったカップを手渡す。コーヒーの温もりがカップ越しに手に伝わる。それを心地よく感じながら口にする。
ライ「…美味しい。」
口に広がる苦味と旨みを堪能する姿を微笑みながら眺めるはやて。
はやて「美味しさの秘訣は美人がいれることやで。」
ライ「?確かにはやては美人だけど……どうして?」
はやて「えっ…あぅ……」
冗談半分で言ったことに真面目に答えられ、どもってしまう。からかう側に率先して立つ彼女は逆にからかわれる事には慣れておらず、しかも相手は天然且つ純真な切り返しをしてきたため動揺した。
はやて(顔が熱い、今絶対顔があこうなっとるぅ!)
ライ「?」
ライは挙動不審なはやてを疑問に思いながらも書類を片付けていく。この程度で作業が止まるようではアッシュフォード学園での仕事はこなせないのだ。
最終的にお昼までに書類の半分以上を処理できたがライが抜けてからは書類の減りが明らかに遅くなり、その日の内には終えることができなかった。
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