第二章
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「何処が非道だ!」
「で、ですが」
「素晴らしいやり方ではないか」
王にしてみればそうだった。
「実にな」
「あの様にしてですか」
「そうだ、あの様にして兵を集めてこそだ」
そうしてこそというのだ。
「兵は集められる、だからだ」
「我がプロイセン軍もですか」
「あのやり方も採り入れてだ」
そうしてというのだ。
「いいな」
「兵を集めますか」
「特に大柄な者をだ」
まさにというのだ。
「いいな、そうしろ」
「背の高い者ならですか」
「プロイセン軍に入れますか」
「無理にでも」
「殴り飛ばして気絶させて連れて行ってもいい」
王は平然として言い切った。
「攫ってもな、尚プロイセン以外でもいい」
「他国でもですか」
「兵を集めますか」
「そうされるのですか」
「手段は選ばんと言った」
やはり平然として言う。
「いいな」
「そうされますか」
「この度は」
「そしてですか」
「兵を集めますか」
「容赦するな、いいな」
こうも言う王だった。
「これから」
「あの、流石にです」
「他国でそれは」
「他国の民を攫っては」
「幾ら何でも」
「馬鹿者!」
王は今度は止めようとした将軍達全員を杖で殴った、そうしてから言った。
「そんなことは気にするな!」
「で、ですが」
「他国の民ですが」
「その者達を攫っては」
「そうしてはです」
「他国の評判なぞ気にせずやるのだ、いいな」
王はこう言って止める者達の意見なぞ一切聞かず逆に殴ってそうして強引にこと進めさせた。そうして。
実際に欧州中の大柄な男達が連れて来られた、スカウトされた者はまだいい方で。
酔い潰されたり殴り倒されたり攫われたりしてだ、プロイセンに連れて来られた、それで各国の者達は言うのだった。
「何て国だ」
「他国の者まで攫って兵にするか」
「プロイセン王、恐ろしい男だ」
「非道にも程がある」
「どういう考えだ」
殆どの者が唖然となった、だが。
中には変わった者もいてこう言うのだった。
「よいではないか」
「プロイセン王の振る舞いは」
「そうなのですか」
「あの行いは」
「実に面白い」
ロシアの皇帝であるピョートル一世はその大きな口を大きく開いて言った。
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