第五章
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「それならじゃ」
「この度はやね」
「愛ちゃんに任せるけえ」
「ほなな」
「第二陣は私が行くわ」
玲は微笑んで言ってきた。
「そやからな」
「先陣行くわ、そしてな」
「勝つな」
「そうしてくるわ」
このことが優先事項であることは言うまでもなかった、そして。
愛はこの戦では先陣に出た、そうしてマチルダを見ると。
仕方ない、そうした雰囲気は全くなく。
嬉々として戦っていた、自ら部隊の陣頭に立ち兵達も指揮するが兵達には無理をさせず自分がだった。
笑顔で危険な場所に飛び込んでいた、目がキラキラとさえしている。愛はその彼女を見て前線にいる士官達に尋ねた。
「あの娘いつもなん」
「はい、ああしてです」
「戦っています」
「危険な場所に飛び込んで」
「そのうえで」
「そうなんか、どうも」
愛はマチルダの戦いぶりと目を見つつ言った。
「それが嬉しいみたいやな」
「実際そうですね」
「彼女は危険に飛び込むのが大好きみたいです」
「その時が一番目が輝いていますし」
「嬉々としていますから」
「家訓と言っていますが」
「その実は」
それはというと。
「もうです」
「危険が大好き」
「そうした人だと思います」
「そうなんやな、ほな後で聞こうか」
愛は士官達の言葉を聞いて決意した、そしてだった。
実際にまたマチルダに尋ねた、今度は愛の方から尋ねた。
「自分危険な場所が大好きやろ」
「そ、それは」
「いた、見たから」
愛は家訓を出そうとするマチルダにこう告げた。
「あんたの前線での戦いっぷり」
「だからですか」
「どう見ても家訓っていうよりか」
「危険を好んでいると」
「そう見えるわ。あれかいな」
マチルダに本陣の中で尋ねた。
「危険な場所に自ら入って戦う自分は恰好いいと」
「ゾクゾクします」
マチルダは愛に正直に答えた。
「そうした場所に入って」
「そしてかいな」
「戦うことに」
「危険大好きか」
「危うい、敵が迫る中必死に戦う」
「それが好きでか」
「いつも志願しています」
今そのことを言うのだった。
「実は」
「そうした嗜好ってことか」
「家訓ということにしていましたが」
「大変な時が大好きか」
「逆境が」
その時がというのだ。
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