第三章
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するとマチルダはこう答えた。
「当家の家訓です」
「家訓かいな」
碧の言った通りとおもいつつだ、愛は彼女の言葉に応えた。
「それでかいな」
「はい、私は常にです」
「危険な任務にかいな」
「志願してです」
そしてというのだ。
「赴いています」
「そうなんやな」
「当家は代々武人の家で」
「戦の場で戦ってやな」
「そうして生きている家なので」
それでというのだ。
「私も父上や兄上と同じくです」
「そうそう、あんたの兄さんもな」
マチルダに彼女の兄の話をした。
「活躍してるし」
「そうですね」
「今は連隊長として頑張ってもらうわ、ただ」
「ただ?」
「あんたの兄さんも勇敢やけど」
それでもというのだ。
「あんた程な」
「危険な任務にですか」
「志願するけど」
こうマチルダに話した。
「あんた程何でもとはな」
「いっていませんか」
「彼の志願を一としたら」
愛は今度は割合で話した、自身の執務用の机木製のそれに座ったまま。
「あんた十五はあるわ」
「そうですか」
「彼は何でもやない、けどあんたは」
マチルダ、彼女はというと。
「ほんまにな」
「何でもですか」
「そやさやかいな」
それでというのだ。
「今も言うねん」
「そうですか」
「ほんまにな」
「ですから私は」
「家訓にやね」
「従ってるいるだけです」
「そやからその頻度が多過ぎるから」
マチルダにまた言うのだった。
「今聞いてるけど」
「兄上と比べても」
「もっと言えばお父さんともな、お父さん今は師団長してもらってるけど」
「危険な任務にはですか」
「あんた程はな」
こう言うのだった。
「ほんまに、二人共家訓は守ってると思うで」
「自分から危険な戦いに向かう」
「それにな」
「それは何よりです」
「けどあんたは無理してる」
マチルダ本人に告げた。
「危険な戦や任務の話を聞いたら絶対に手を挙げるから」
「そのことがですか」
「極端過ぎるで、ほんまに家訓かいな」
「そうですが」
「そうやろとええけどな」
愛は考える顔で述べた。
「まだな」
「はい、あくまで家訓を守ってのことで」
マチルダ自身はこう言う、しかし。
愛は明らかにそうではない、別の何かしらの理由があると彼女と話して確信した。それでまた仲間達に話した。
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