第二章
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「あの娘は危ういもんがあるのう」
「いつも前線に出たがるから?」
「そうじゃ、そこが気になるのう」
碧としてはというのだ。
「どうも」
「そういえばそやね」
小雪はブルーチーズを食べつつ応えた。
「あの娘は」
「そうじゃな」
「攻める時はいつも前線で」
「それで退く時はじゃ」
「後詰を志願して」
「実際に戦うのう」
「それを見てると」
小雪はさらに言った。
「私も思うわ」
「そうじゃな」
「何ていうか」
「死にたがってる、いや」
「こっちの世界では復活させられるから」
死んでもとだ、小雪はこのことを話した。実は小雪は使者を蘇らせる術をあらゆる術の中でも特に得意にしているのだ。
「それはないし」
「というかあの娘の顔は」
愛もここで言った、見れば彼女もいい飲みっぷりである。
「別にな」
「死にたがってる顔じゃないのう」
「いつも生き生きとしていて目が輝いていて」
「普段でもじゃ」
「明るい表情やから」
「死にたがってる訳じゃないわ」
「そやね」
こう碧に述べた。
「あの娘は」
「そこは間違いないけえ」
「ほなどうしてやろ」
「戦やなくても進んで危ない任務を志願するさかいな」
玲はソーセージを食べている、そのうえでの言葉だ。
「威力偵察とか」
「政でも治安の悪いとこの警備とか」
「モンスター退治言うてもな」
「率先して強敵に行くから」
「もう絶対に危険な場所に行く」
「それは何でやろな」
愛は今度は分厚いベーコン、カリカリに焼いたそれを食べつつ言った。それはステーキと言っていいくらいのものだった。
「ほんまに」
「家訓ではないかのう」
碧はそれではないかと述べた。
「我が国木田家にもあるが」
「厳しい家訓があるんかいな」
「そうじゃ、その家訓に従ってじゃ」
碧は愛にさらに話した。
「わらわは婿探しをしとるけえ」
「あそこまで赤裸々に」
「だからじゃ」
それ故にというのだ。
「あの娘もそうではないけえ」
「ほなな」
「あの娘に直接じゃな」
「ちょっと聞いてみるわ」
愛は碧にチーズを飲みつつ話した。
「これから」
「そうするのがええけえ」
「それやったらな」
こうしてだった、愛は実際にマチルダ自身に何故いつも先陣や後詰、威力偵察そして危険な場所への潜入や強力なモンスターとの戦闘と危険な任務にばかり率先して志願して赴くのかと自身の執務室に呼んで問うた。
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