十一話 《英雄の力》
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ボス部屋の前について、確認を取る。
「大丈夫か!?」
「……一人、足りない…………!」
「なっ……!」
やばい……!
今までボス攻略とかでは、死人とか、出なかった。
色々と考えていると、また一人、空中を舞ってポリゴンのかけらとなって散った。
「ダメ……っ!」
アクの拳がわなわなと震える。
丁度そのタイミングでキリトとアスナ、ついでに悪趣味のバンダナつけたクライン達《風林火山》のメンバーも来ていた。
転移結晶無効化エリアだから、離脱もできない。軍のプライドも邪魔して、まさに地獄絵図だった。
「全員……突撃……!」
コーバッツが滅茶苦茶な指令を出す。
「やめろ……!」
キリトの小さな叫びも届かず、また数人が宙を舞う。
しまいにはコーバッツも宙を舞い、僕等の前へと落ちる。
ポリゴンのかけらになって消えていく前に
―――ありえない。
そう聞こえた気がした。
「だめ……だめよ……もう……」
そう言ってアスナが出る前、アクが一瞬早く飛び出した。
「……もう、死なせたくないっ―――――」
「アク――――っ!」
アクが出ていき、アスナも続く。
それに僕が続き、キリトも来て、クライン達も渋々?参加する。
アスナが細剣で渾身の一撃を討つが、HPもろくに減っていない。
アクが足元で《シャープ・ネイル》を討ち、続けて《バーチカル・スクエア》を放つ。
『グリーンアイズ』はアスナから標的をアクに変え、硬直直後のアクに大剣で攻撃を討つ。
アクは、もろに吹っ飛ばされて、壁に激突する。HPバーは六割ほど削られる。
また、グリーンアイズはアクに向き合う。
アクは恐怖で動けない。
僕も、全速力でアクの元へと行こうとしているが、恐怖でおののいて走るのが遅くなった。
そのせいでアクまでの距離が遠くなった。
あと、あと3メートル、いや、2メートル。
その距離がものすごく遠く感じる。
――また僕は、大切な人を守れないのか……
そう思った矢先、彼女の声が聞こえた。
―――ロア、アクを、あの子を守ってあげて。
あの子は強く見えても、本当は弱い子だから。
お願い。守ってあげて―――
強く歯を食いしばる。
そうだ。こんなところでくじけちゃダメだ。
頼む。間に合え。間に合ってくれ……!
その時、僕の頭の中にシステムアナウンスの声が響いた。
『プレイヤーネーム、ロア。
ユニークスキル《英雄の力》を獲得、成功しました』
僕の頭の中にタロットカードが出る。
『大アルカナの一つ、《力》。
そのカードの意味は、意志の力。』
そこでシステムアナウンスの声は途切れて、また、続ける。
『英雄王の大剣の所持、確認しました。
《英雄の力》、使いますか?』
なんかよく分かんないけど、Yes!
『《英雄の力》、準
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