裸エプロン談義
[1/2]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
「なぁ、裸エプロンってどう思う?」
昼時、アイオニアンの食堂で、紅介が誰にともなく呟いた。
「ぶふうっ!? げほっ、げほっ……昼時に何話してんだよ!?」
「紅介……いきなりどうしたんだ?」
翔は呆れ、純は苦笑いを浮かべる。
「な、何を言ってるんだ!?紅介!」
「食事時になんて話を……万死に値するぞ!」
「兄さん、声大きい……。それと大袈裟」
恭一郎は動揺し、大野兄弟は何時ものやり取りを繰り広げる。
「ああ、悪ぃ。でもよぉ、一回くらい考えた事無いのかよ?」
「ない」
他の5人を代表して、翔がはっきりと否定した。
「考えてみろよ、恋人がエプロン1枚で恥じらう姿をよぉ!」
『ジロジロ見ないでくれよ……。こっ、こう見ても恥ずかしいんだよ……バカ!キレイだって言うなぁ……』
「これだよ!わかるか!」
「だから何なんだ……」
「奏さんのそういう姿を想像したら……なぁ?」
「いや、そう言う事じゃないから。食堂で騒がないで」
興奮する紅介に呆れる飛鳥。紅介は同意を求めるが、流星に一蹴されてしまう。
「とにかくよォ、そういう妄想は男なら誰だってするモンなんだよ」
「いや、答えになってないぞ!」
「そんで、新婚さんによくあるアレを言ってくれたりしてさぁ……」
飛鳥がツッコミを入れるも、当の紅介は聞く耳持たずで、更なる妄想に耽っていた。
(紅介のヤツめ……。俺はそんな事、絶対に考えないからな……)
ff
「翔くん?どうしたの?」
自宅のソファーに腰掛け、昼間の会話を思い出していると、響が問い掛ける。
「ん?いや、なんでもないよ」
「そっか……。それより、どうかな?このエプロン」
「エプロン?」
「うんっ!未来と一緒に選んだんだ〜。似合うかな?」
響は買ったばかりの、ライトオレンジのエプロンを身に付け、一回転して翔に見せる。
「あぁ、すごく響に似合って──」
その時──
『そっ、そんなにお尻ばっかり見ないでよぉ……。うぅ、恥ずかしい……。翔くんのエッチ……』
そんな妄想が、翔の脳裏を過った。
「うわぁぁ!!」
「うわっ!!」
「ごめん響、ちょっと頭冷やして来る!」
不意に浮かんだ破廉恥な妄想に、翔は慌ててソファーから立ち上がると、頭を冷やすために外へ出た。
「ん〜?翔くん、どうしたんだろ……?顔が真っ赤だったように見えたけど……」
ff
翔が慌ててる一方、恭一郎は未来と二人で帰路に着いていた。
「──それでね、響と一緒に選んだんだ」
「何をだい?」
「新しいエプロン。 響ね、翔くんの為に美味しい料理作るって張り切っちゃって」
「そうなんだ」
楽しげに話す未来の姿を見て、
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ