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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
第二百八十三話 テストも終わってその十二

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「かなりの血が流れましたが」
「それでもですよね」
「流石にそこまでは多くなかったかと」
「そうですか」
「まあ行方不明者もいますが」
 ヤクザ屋さんの世界ではこのケースも多いらしい。
「殺してです」
「死体はコンクリートに入れてですね」
「海に入れたりしますね」
「そうしたことが本当にあるんですね」
「よく言われますが」
 この話はというのだ。
「実際にです」
「あってですか」
「実際の数字はわかりませんが」
 それでもというのだ。
「流石にです」
「日本ではですね」
「アル=カポネ程はです」
 四百五十件もの和はというのだ。
「ないかと。彼自身が下したものだけでも二十件あったとのことで」
「自分が手を下したのもそれだけですか」
「そうらしいです」
「それも凄いですね」
「かなりの武闘派だった様で」
 そのことは顔を見てもわかる、如何にもという感じのふでぶてしい顔立ちで禿げた弾丸型の頭と葉巻がよく似合う。
「自分自身でもです」
「それだけ手を下していますか」
「そうした人物でして」
「それだけの数の殺人事件にもですね」
「関わっていて一番有名なものは」
 その数多くの殺人事件の中でもというのだ。
「バレンタインの虐殺ですね」
「抗争相手か誰かを血祭りにあげたんですよね」
「そうした事件です」
「それがバレンタインにあったので」
「そう呼ばれています」
「そうでしたか」
「とにかく多くの悪事を為しましたが」
 それでもとだ、小野さんはあらためて言った。
「その結末はです」
「ベッドの上だった」
「寂しい死だったそうです」
「ひっそりした感じでしたか」
「その様です、後息子さんがいたそうですが」
「アル=カポネの」
「この人はマフィアにならず」
 父親と違ってだ。
「普通に一市民としてです」
「暮らしていたのですか」
「そして一生を終えたそうです」
「そうですか」
「小さな犯罪を犯したこともあったそうですが」
 それでもというのだ。
「別にです」
「軽いもので」
「確か万引き程の」
「確かに犯罪ですが」
「小さなものですね」
「アル=カポネと比べたら」
 もうそれこそだと実際に思った。
「些細ですね」
「はい、裁判でも間違いは誰でもあると言って」
「それで、ですか」
「罪を認めてです」
「終わったんですね」
「それであっさりと改名もして」
「改名したんですか」
「その方が生きやすいとのことで」
 このことは聞いてすぐにわかった、流石にアル=カポネの息子だとどうしても目立ってしまう。カポネという名前でも。
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