暁 〜小説投稿サイト〜
八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
第二百八十三話 テストも終わってその十

[8]前話 [2]次話
「出来てです」
「よき夫優しい父にですか」
「なれる機会を得ましたので」
「そこで努力出来たからですね」
「ですから」
「家庭のこともですね」
「努力しています」
 小野さんは僕に話してくれた。
「今も」
「そうですか」
「そしていい家庭を作れば」
 努力してというのだ。
「そこに幸せも出来ます」
「仕事が終わって温かい家庭でくつろぐ」
「これはいいものです」
 実にという言葉だった、小野さんの今のそれは。
「ですから」
「是非ですね」
「はい、努力して下さい」
「わかりました、いいことについてですね」
「努力されて下さい」
「そうしていきます」
「これが悪事への努力になりますと」
 小野さんは否定する顔で述べた。
「決してです」
「してはならないですね」
「それはもう犯罪者の行いです」
「犯罪に努力する人もいますしね」
「中にはそこまで努力するなら」 
 ピッキングもそうだし詐欺でもだ、悪事について不断の努力をするというその姿勢はどうかというのだ。
「もう一角の人物になれる様な」
「そんな人もいますね、確かに」
「アル=カポネもそうですね」
「あのマフィアの」
「あの人についても」
 禁酒法時代のシカゴで暗黒の帝王として君臨していた、そして莫大な利益を手にしていたことで知られている。
「若し表で活躍していれば」
「その時はですね」
「かなりの成功を収めていたかも知れません」
「そうですね」
「あの人はそもそもマフィアのトップには立てませんでした」
「マフィアはシチリアですね」
「ですがアル=カポネはナポリ出身です」
 同じイタリアでも出身地が違うと裏社会でも住む世界が違っているのだ。
「ナポリはカモラです」
「マフィアと同じ犯罪組織でも系列が違いますね」
「そうなのです、ですから」
 それでというのだ。
「そこでドンになっただけでもです」
「凄いことですね」
「本当に表社会にいたら」
 それならというのだ。
「成功していたとです」
「思いますよね」
「その為にかなりの努力をしていましたし」
「その努力をいい方向に向けていたら」
「違っていたとです」 
 その様にというのだ。
「思いますし」
「それで、ですね」
「私も残念に思います」
「本当に一角の人物になっていて」
「より幸せだったかも知れないです」
「マフィアの世界はあれですよね」
 僕は小野さんに考える顔になって話した。
「生きるか死ぬかで」
「常にです」
「当時は特にそうですね」
「言うならヤクザ屋さんですから」
 まさにそのままだ。
「ですから」
「もう何時どうなるかですね」
「実際アル=カポネも用心していました」
 勿論身の危険を感じているからだ。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ