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新オズのつぎはぎ娘
第一幕その九
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「見える範囲は全部ちゃんと見えるのよ」
「それは凄いね」
「色もわかるしね」
「ああ、色も」
「どの色もね」
「そうそう、僕オズの国に入るまで色はわからなかったんだ」
 トトがここでまた言ってきました。
「白黒だったんだ」
「そのことはハンクやエリカも言ってるね」
「哺乳類はね」
「確か人間や猿以外は色がわからないね」
「うん、けれどね」 
 それがというのです。
「オズの国に入るとね」
「君達も色がわかるんだね」
「人間と同じ様にね」
「オズの国がお伽の国だからだね」
「そうなるんだ」
 実際にというのです。
「有り難いことにね」
「そのこともいいことだね」
「色がわかるっていいよ」 
 トトはジョージにとても嬉しそうにお話しました。
「本当にね」
「白黒よりもだね」
「色がわかることはね」
「だからトトはだね」
「そのことからもね」
「ずっとオズの国にいたいんだね」
「そう思ってるよ」
 そうだというのです。
「本当にね」
「オズの国は色がはっきりしてるからね」 
 つぎはぎ娘はオズの国のその色のお話もしました。
「このウィンキーは黄色で」
「そうそう、一面ね」
「黄色い草、黄色い木の葉でね」
「黄色尽くしだね」
「その黄色の中にいるとね」
「色がわからないとね」
「こんな残念なことはないわよ」
 その黄色がわからないからというのです。
「だからオズの国で誰も色がわかることはね」
「素敵なことだね」
「とてもね」 
 こうジョージにお話します。
「あたしもこの通りだしね」
「そういえばつぎはぎ娘は」
「カラフルでしょ」
「色々な色があるね」
 そのぬいぐるみの生地にです、つぎはぎ娘は身体の中は綿ですがその肌や髪の毛、服は様々な木綿の生地をつなぎ合わせたものでそれで色も色々なのです。
「服は赤で髪の毛は茶色でも」
「お肌はね」
「赤や青、黄色に緑とね」
「色々な色があるわね」
「ピンクも白もあるしね」
「あたしこの身体大好きなの」
 カラフルなその身体がというのです。
「オズの国にもないでしょ」
「うん、他の誰もね」
「こんな身体の人いないでしょ」
「つぎはぎ娘だけだね」
「だからね」 
 それでというのです。
「あたしの自慢の身体よ」
「その身体の色がわからないなら」
「こんな残念なことないでしょ」
「自分でそう言うんだ」
「だって本当のことだから」
 それ故にというのです。
「あたしもそう言うのよ」
「そう言うのも君らしいね」
「あたしはあたしらしくよ」
 つきはぎ娘は笑った声でこうも言いました。
「それがあたしのポリシーだから」
「そうしているんだ」
「そうよ、それでね」
 つぎはぎ娘は先程言った遠
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