第一幕その八
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「洗濯してもらうのかな」
「そう、かかしさんと一緒よ」
「やっぱりそうだね」
「ただ、あたしの身体の中は綿でしょ」
「だからだね」
「あたしはそのまま洗濯機に入ってね」
そうしてというのです。
「洗ってもらうの」
「身体全体をなんだ」
「そうしてるもらってるの」
「それで後は」
「そう、乾燥機に入れてもらうか」
若しくはというのです。
「干してもらうの」
「そうしているんだね」
「ちなみにオズの洗濯機はすぐに洗濯してもらって」
「乾燥もなんだ」
「すぐよ、だからね」
「つぎはぎ娘はいつも身体は奇麗なんだ」
「見ての通りね」
見れば実際につぎはぎ娘は他の人達、かかしや樵と同じく奇麗です。洗濯の洗剤のいい香りすらします。
「そうなのよ」
「成程ね」
「それであんた達もよね」
「うん、これからね」
ジョージはつぎはぎ娘にドーナツを食べつつ答えます。
「皆で遊んで」
「晩ご飯も食べてね」
「それでそのブリキのお風呂にも入るよ」
「そうするわね」
「今から楽しみだよ」
実際にジョージは笑顔です、ドーナツの美味しさだけでなくお風呂のことも楽しみにしてそうしたお顔になっています。
「本当にね」
「それは何よりね」
「うん、ただね」
「ただ?」
「遠くから何か見えてきたわ」
つぎはぎ娘はそのボタンの目で遠くを見てお話しました。
「生きものがね」
「生きもの?」
「二匹位ね」
「まさかと思うけれど」
「多分ドロシーが言ってたね」
「冒険に新たに加わる人達だね」
「まだはじまっていないけれどね」
それでもというのです。
「そうした人達でしょうね」
「そうなんだね」
「ええ、そしてね」
つぎはぎ娘はさらにお話します。
「こっちに来るわよ」
「僕はまだ見えないよ」
「あたし目がいいからね」
そのボタンの目はというのです。
「遠くのものでもしっかり見えるのよ」
「それで見えるんだね」
「つぎはぎ娘の視力は五・〇なんだ」
トトがジョージ達にお話します。
「それ遠くも見えるんだ」
「えっ、五・〇って」
「それは凄いね」
「大平原に住んでいる人みたい」
「そんな視力があるなんて」
「かなりね」
「ちなみに近くのものもよく見えるわよ」
つぎはぎ娘は五人にこうもお話します。
「ちゃんとね」
「凄い目だね、何でもね」
ジョージはそのお話を聞いて言いました。
「目があまりにもいい人は近くは見えにくいっていうけれど」
「あたしは違うの」
「ちゃんと見えるんだ」
「近くもね」
ちゃんと、というのです。
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