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麗しのヴァンパイア
第二百七十二話

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             第二百七十二話  コンビニエンスストア
 使い魔達は今度は自分達から主に言った。
「かつてはああしたお店はなかったですね」
「コンビニエンスストアというものは」
「二十四時間開いているお店は」
「そうでしたね」
「ええ、夜も昼もというのは」 
 まさにとだ、カーミラも答えた。
「なかったわね」
「左様ですね」
「そうしたお店は」
「我々もご主人の使い魔となり長いですが」
「この三十年少しの間ですね」
「それもこの国から広まったとか」
「日本という国には最近来たけれど」
 それでもというのだ。
「面白いものがあるわね」
「左様ですね」
「実にそうですね」
「そうしたものがあるとは」
「非常に」
「そうね、これもね」 
 まさにというのだ。
「日本ということね」
「左様ですね」
「この国の平民の生活に欠かせぬものの様ですね」
「どうやら」
「そうしたお店の様ですね」
「そうね、ただ今のこの国には貴族はいないわ」
 カーミラはもうこのことは知っていた。
「だから誰もが平民よ」
「最近流行りの国ですね」
「階級のない国ですね」
「それは日本も同じで」
「誰もが平民なのですね」
「それが今のこの国ね、ただ私は」 
 カーミラは妖しく微笑み使い魔達に話した。
「ああしたお店には入らないわ」
「ご主人様に合わない」
「だからですね」
「それで、ですね」
「入られないですね」
「そうするわ」
 自分の好みに合わないからだというのだ。
「そうするわ」
「左様ですね」
「確かにご主人様には合わないかと」
「ああしたお店は」
「その時は我等が人になり入ります」
 そしてものを買うというのだ。
 こうしたことも話しながら夜の散歩は続く、カーミラのそれは優雅でかつ楽しめるものであった。夜という彼女の時間の中で。


第二百七十二話   完


                  2020・6・11
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