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おっちょこちょいのかよちゃん
69 空回りは続く
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切なく感じてしまうのだった。
「杉山君、なんかかっこよかったよ」
「ああ、藤木が少し可哀想に見えたからな」
「でも、杉山君は欲しいものなかったの?」
「いいよ、俺は。楽しめればいいんだ」
 皆は次を廻った。次はサッカーのPKができるゲームがあった。勿論ここでも景品は貰える。2回まで挑戦でき、1回目の挑戦でゴールすればスナック菓子、2回目ならばお茶や缶ジュースなどの飲み物が貰える。ただし、失敗すればポケットティッシュだった。
「あ、あそこ、隣のお兄ちゃんが言ってたゲームだ!」
「よおし、今度はアタシもやろう〜」
 まる子が張り切った。
「ま、まるちゃん・・・!?」
「よし、さくらもやるか」
 こうして大野、杉山、ブー太郎、長山、藤木、そしてまる子の六人でやることになった。まず大野が挑戦する。見事に1回目でゴールインした。続いて杉山も1回目でゴール。二人はポテトチップスの袋を貰った。ブー太郎は1回目は外したが、2回目は当たり、缶入りのお茶を貰った。長山は1回目は手作りのゴールのポールにあたって弾かれたが、2回目は成功した。長山はジュースを貰った。
「藤木、アンタ次行ってきなよ」
「え?あ、いや、さくら先行けよ・・・」
「もう、よおし、やるよお〜」
「まるちゃん、頑張って!!」
 まる子はボールを蹴った。だが、ボールはゴールの上を行ってしまった。そして二回目。今度はゴールインした。まる子はジュースを貰う。
「ほら、藤木もやれよ」
「う、うん・・・」
 藤木はボールを蹴った。しかし、一回目は蹴りそこねた。改めて蹴り直し。しかし、ポールに掠りもせずに外れた。二回目を蹴る。
(次こそ笹山さんにいいとこを見せないと!)
 藤木はボールを蹴った。しかし、次も大きく外してしまった。また藤木は好きな女子の前で醜態を晒してしまった。藤木は残念賞のポケットティッシュを貰った。
「おい、藤木は元気だせよ」
 杉山は宥めようとする。
「う、うん・・・」
「ふ、藤木君、こんなんでくよくよしちゃ駄目だよ!」
 かよ子も慰めようとした。
「ねえねえ、私達もなんか遊びたくなっちゃったよね」
 たまえが提案した。
「そうだね、どこかないかな?」
 皆は女子も遊べそうな所を探した。
「藤木君、気を取り直して行こうよ」
「さ、笹山さん・・・」
 藤木は笹山に気に掛けられて嬉しかった。一瞬二人が関われてホッとするかよ子であった。

 一人の大学生が文化祭が催されている高校の門を(くぐ)った。
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