68 消えぬ憂鬱感
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え・・・)
杉山は推測した。かよ子は絶対に藤木が帰ろうとしていたのを止めようとしていた、と。
「山田」
杉山が聞く。
「え?」
「藤木は、やっぱり笹山が好きなのか?」
「う・・・、実は、そうなんだ・・・」
「なんか、そんな気が俺もしてたよ。あいつ、昨日笹山と話してすげえ嬉しがってたし、今日も俺達との会話が楽しくなさそうで、笹山の方をチラチラ見てたからな」
「杉山君・・・。気づいてたんだ」
「ああ」
「私、ちょっと笹山さんにお願いしてみようかな?」
「何をだよ?」
「もうちょっと藤木君の方に振り向いて欲しいって」
かよ子は藤木の想い人に話しかけてみる。
「あ、あの、さ、笹山さん・・・」
「え?なあに?」
「もう少し藤木君にも、振り向いて挙げて・・・。藤木君、笹山さんと文化祭に行くのを楽しみにしてたんだよ。でも、なかなか笹山さんに話しかけられなくて寂しく感じてるんだよ」
「でも、藤木君は他にも大野君とか杉山君とか、長山君とかの男子もいるし・・・」
「そういう問題じゃないんだよ。藤木君は笹山さんと本当は一緒に楽しみたいんだよ!だから、もう少し藤木君を気にかけて・・・!!」
「う、うん・・・」
笹山はなぜかよ子は自分に藤木と深く関わるよう要求するのか、その理由も意図も解らなかった。
一人の大学生が清水駅を降り、ある高校へと向かった。
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