二つの赤
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陣を組む。これで、彼らがどこかに攻撃すれば、残りが一気に殲滅するという流れだ。
龍騎も、キョロキョロと対応を考えていた。
「おいおい、どうすんだよ? けっこう不味くないか?」
「……大丈夫」
少し考えたウィザードが余裕そうに答えた。
「こういう時こそ、新しく作った指輪の出番だ」
「え? え?」
龍騎が二度振り向く。ウィザードは、右手の指輪を切り替え、再びベルトに読ませた。
『コピー プリーズ』
すると、彼の体を、またあの赤い魔法陣が通過する。今度は、上から下へ。丁度彼の隣にも、同じように魔法陣が出現し、上から下へ移動する。
すると、その魔法陣んが通過した場所には、もう一人のウィザードがいた。完全なるウィザードのコピーのようで、彼の動きを完全にトレースしている。
「ふ、双子?」
「もう一回」
『コピー プリーズ』
驚く龍騎に同意する。だが、渦中のウィザードは、それらを全く気にしなかった。
二人のウィザードが、同じように魔法を発動。倍々ゲームにより、四人のウィザードが円状のグールたちに向かい合う。
「一気に突破するよ!」
「ああ!」
龍騎も、なぜか調子付いている。新たなカードを、左手の籠手らしきものに装填した。
『ストライクベント』
「_______」
あの赤い龍が吠える。
龍騎の右手に、その頭部を模したグローブが装着される。
『『『『キャモナシューティング シェイクハンズ キャモナシューティング シェイクハンズ』』』』
「はあああ……」
四人のウィザードが、鏡写のように銀の銃を操作する。ルビーの指輪を読み込ませることで、その銃口に炎が宿る。
同時に、龍騎が腰を落とす。引き戻した龍の口に、炎が沸き上がる。
『『『『フレイム シューティングストライク』』』』
「だああああああ!」
四人のウィザードと、龍騎のストライクベント。合計五つから発射された炎が、爆発的に広がり、グールを焼き尽くしていく。
ファントムが顔を覆い、視界を取り戻したとき、あれだけいたグールたちは跡形もなくなっていた。
「な、何だと……?」
炎が強すぎて、二人の姿が見えない。だが、『ルパッチマジックタッチゴー』などというふざけた音声から、間違って焼身してしまったという考えは捨てた。
「何なんだ……? お前たちは……?」
炎の合間より見えてきた、二人の姿に、ファントムはむしろ恐怖さえ感じた。
ウィザードは静かに告げた。
「お前がこれまで絶望させてきた人たちの報いだよ」
ウィザードと龍騎は、同時に次の、そして最後の一手を繰り出した。
『チョーイイネ キックストライク サイコー』
『ファイナルベント
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