第二章
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「安心しろよ、じゃあ日曜そのつもりならな」
「ここにだね」
「来いよ、服装はこだわらないしお土産はなくてもいいけれどあったら余計にいいな」
「キャットフードとかにぼしとかだね」
「おう、まあ来たいなら来なよ」
こう武司に言った、武司はウィリアムにその時にここに来ると約束した、それからも毎日ここで会ったが。
日曜の朝ここにキャットフードを持って来るとウィリアムは武司をマンションの近くにある人気のない広場に案内した、そこに行くと。
彼の他に四匹の猫達がいた、ウィリアムは武司を彼等に紹介すると今度は武司に顔を向けて言ってきた。
「皆ケット=シーでな」
「お友達なんだ」
「ああ、それぞれイングランド、アイルランド、ウェールズ、それでフランス出身だよ」
「ラグビーのそれじゃない」
出身国を聞いてだった、武司はすぐにそれを連想した。
「そのまんまだよね」
「ラグビーの話もするぜ」
「そうなんだね」
「それじゃあおいら達と世間話をするか」
これからというのだ。
「そうしようか」
「それじゃあね」
武司も頷いてだった。
猫達と話した、すると。
猫達は人間だけでなく猫が見ている世界のことも話した、その話を聞いて。
武司はその場にあった座るのに都合がいいコンクリートブロックのところに腰掛けていたがそこから猫達に言った。
「猫の視点もね」
「独特だろ」
「そうだね」
ウィリアムに答えた。
「人間とはまた違うね」
「視点が猫だとな」
それならというと。
「低い場所からだけじゃなくて色々動き回ってな」
「それで見るからだね」
「だからな」
それでというのだ。
「人間の視点とはどうしてもな」
「違うんだね」
「ああ、人間が見えないものでもな」
「見えたりするんだね」
「何かとな」
「そうなんだね」
「ご主人のことでもな」
飼い主のこともというのだ。
「色々見えるぜ」
「そうなんだね」
「毛剃ったと思ってもな」
「実はとは」
「そういうこともあるしな」
「猫の視点もだね」
「面白いぜ、ここじゃその猫が見たことをあれこれ話すからな」
猫の妖精である自分達がというのだ。
「よかったら来いよ」
「そうしていいんだね」
「おう、あんたが来られる時来たい時にな」
「そうしてだね」
「おいら達の話を聞けよ」
「そうさせてもらうね」
武司はウィリアムに笑顔で応えた、そうしてだった。
彼は日曜の朝になるといつもお土産を手に猫の集会に参加させてもらって彼等の話を聞いた、その話の中で猫達はある時こんなことを言った。
「来週の集会は止めだな」
「再来週またな」
「その時にな」
「また会おうぜ」
「そうしようね」
「あれっ、来週何かあるのかな」
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