伴装者ヒロピン&ナンパネタ
[8/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
次は……こっちです!」
「わかった」
その後も二人は露店を回り続けた。
二人を目撃した結果、食べ物が甘くなったとの噂もあるらしいが、それは些細なことに過ぎない。
暫くして、花火が始まる為に人が増え始める。
ところが、二人は人混みに巻き込まれてしまった。
「あっ……」
「調ちゃんッ!」
転んでしまった調に手を差し伸べようとする流星だったが、人の波に遮られ、そして二人は引き離されてしまった。
「はぐれちゃった……。探しに行かないと……」
「ねえ君、ひょっとして人探し?手伝おっか?」
声を掛けてきたのは、祭りを楽しみに来たとは思えない、チャラチャラした服装の男。
調は一目で警戒心を抱く。
「大丈夫です。それでは」
「まーまーそう言わないでよ。多分あそこに居るよ」
男は調の腕を引っ張り、人気のない場所へと連れ込もうとする。
「やめて……」
「い〜からさぁ!」
「離して!」
「何してるの?」
振り向くと、そこには男の方へ嫌悪感を顕にした目を向ける流星の姿があった。
「げっ……い、いやぁ、見つかってよかったよかった……」
そそくさとその場を後にしようとするチャラ男。
しかし、大事な恋人に手を出された流星が、男をタダで逃がすはずがなかった。
「行かせないよ。これで済むと思ってるの?」
「あん?」
「もし僕がここに来なかったら、調ちゃんに何をしようとしていたの?場合によっては警察沙汰だよね?お兄さん、お祭りをなんだと思ってるわけ?ここはあなたみたいな人が女の子を求める場じゃないと思うけど?」
「ッるせぇ!気取ってんじゃねぇ!」
チャラ男の拳が流星の顔を狙う。
しかしその拳は軽く払われ、流星の膝蹴りが男の股間に直撃した。
「*#@¥$?%÷ッ!!」
「調ちゃん、離れるよ」
「はっ、はい!」
股間を抑えて蹲るチャラ男。
流星は調の手を引き、足早にその場を立ち去った。
「ここまで来れば、大丈夫かな?」
「ありがとうございます、流星さん……。でも、わざわざあそこまで……。怪我でもしたら、どうするつもりだったんですか?」
「つい、カッとなっちゃって……。心配、かけちゃった?」
「ううん。流星さんが鍛えてるの、知ってるから……」
調は柔らかく微笑むと、流星の顔を見上げた。
「でもまだ不安……。流星さん……してもらっても、構いませんか?」
「……了解」
そう言って調はつま先立ちで背を伸ばす。
花火の音が響く中、二人は互いの唇に口付けする。
そして二人は、何食わぬ顔で親友達と合流するのであった。
ff
・赤く、そして熱く(かな紅)
「おっそいなぁ、紅介のやつ……。もう10分も遅刻だぞ。……でもま
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ