伴装者ヒロピン&ナンパネタ
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には旗目から見て隠しきれない程の胡散臭さが漂う、スーツの男が立っていた。
「君可愛いねぇ」
「え?そうデスか?」
「おじさんね、君みたいな子をモデルとしてスカウトしてるんだよ」
「あ〜……ごめんなさいデス。今、待ち合わせしてるから、断るデスよ」
「そう言わずに、10分だけだから!ね?」
強引に腕を引く男に、切歌は必死で抵抗する。
「離すのデスッ!」
「来てくれるんなら、離してあげてもいいよ?」
自分よりも強い力で腕を引っ張る男に、切歌は涙を浮かべる。
「離して……誰か、助けて……!」
遂に泣き出してしまう切歌。男は切歌を路地裏へと引きずり込もうと更に力を込めて引っ張る。
「おい!嫌がってるだろ!」
その時、男の腕を掴んだのは……待ち人の飛鳥だった。
飛鳥は怒りを顕にした顔で、切歌を守るように立ち塞がる。
「飛鳥、さん……?」
「すまない。服装について、流星と月読に聞いていたら遅くなった。……女の子泣かせて、何を考えているんだッ!警察呼ぶぞッ!」
「いやその……失礼しましたぁぁぁぁッ!!」
飛鳥に睨まれた男は、情けない声を上げながら退散した。
「暁、大丈夫か?」
「だっ、大丈夫デスよ!飛鳥さんが来てくれたから、もう平気デス!」
先程までの涙は何処へやら。満面の笑みで飛鳥に抱き着く切歌を見て、飛鳥はその頭を優しく撫でた。
「そうか……良かった……。それで、例の店はどっちなんだ?」
「こっちデース!待っているデスよ、憧れの限定スイーツ!絶対食べてやるのデース!」
「まったく……切り替えが早いのが、君のいい所だよな」
(……飛鳥さん、カッコよかったデス……。あれ?なんデスかね……飛鳥さんを真っ直ぐに見られないデス……////)
(ふぅ……何とかなったか……。でも、さっき抱き着いてきた時の暁の顔……いや、何を考えているんだ僕は!そんな不純な事、考えてなど……ッ!)
二人は内心どぎまぎしながら、店へと向かって行った。
飛鳥にとっては手のかかる妹で、切歌にとっては口うるさい兄。
そんな二人の関係が、ほんの少しだけ進んだ気がする。そんなお昼であった。
ff
・花火の音で消されぬように(流しら)
夏祭りで露店を回る流星と調。一通り店を回った後、翔達と合流して花火を見る予定である。
「結構難しい……」
調はヨーヨー釣りに挑戦していたが、中々上手くいかず困っていた。
「ヨーヨー釣りはゆっくり慎重に、なおかつスピーディにやれば……ほら」
流星に手本を教えられ、もう一度挑戦する。
「ゆっくり慎重に、スピーディに……やった!」
ピンク色のヨーヨーを釣り上げ、調は満足気に微笑む。
「次はどっちに行く?」
「
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