伴装者ヒロピン&ナンパネタ
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緒川が侵入する為の囮役を引き受け、見張りを引き付け殴り倒してきたツェルトが、ホールに飛び込んで来る。
彼のスーツの左腕部分は、赤く滲んでいた。
「ッ!?あなた、それ……」
「身体の痺れをかき消す為に、な……」
「止めようとしたのですが、僕も解毒薬が無ければ同じ事をしたでしょうから……。勿論、止血はしてあります」
そう言いながら緒川は、人質を縛るのに使われていた縄で、テロリスト達を縛り上げていた。
「さて、一緒に捕まっていたスタッフの皆さんも逃がしましたし、そろそろ警察がやって来ます。なるべく手短に済ませて、ホテルに戻りましょう」
四人はそのまま、ホールを後にするのだった。
S.O.N.G.のツテで事情聴取を手短に済ませた二組は、ホテルに戻り、それぞれの部屋に分かれていた。
「無事で何よりです」
「すみません……。あの時はあれが最善だと……」
「翼さん、あなたは防人である以前に、世界中の人々を笑顔にする歌姫なんです。もう少し、自分を大事にしてください」
「肝に銘じます……」
「分かってくれればいいんです。……では、また明日──」
「……慎次さんッ!」
翼は咄嗟に、部屋へ戻ろうとした緒川の手を引っぱり、引き留める。
「慎次さん……本当の事を言うとあの時、怖くなかったわけではないのです……。もしも喉をやられていたらと思うと、震えが止まらない……。だから……その……今夜は、一緒にいてくれませんか……?」
「翼さん……」
緒川の背中に腕を回し、胸を借りて、上目遣いにそう願う。
ここまで言われて断る緒川ではない。何故なら彼の使命は翼を守る事であり、今の彼は翼の恋人なのだから。
「わかりました。今夜は朝まで、一緒にいてあげますよ」
その夜、二人は同衾するのだった。
まだ恋も知らなかった昔のように、静かに、安らかな寝顔で。
そして……。
「痛ッ!」
「無理するからよ……。ホント、そういう所は変わってないんだから……」
包帯を変え終えたマリアの目に涙が浮かぶ。
「マリィ……」
「罰として、今夜は私と寝なさいッ!」
「何故そうなるッ!?」
「仕事や任務の時は気を遣って一緒に寝てくれないじゃない!」
「今回は翼の手伝いでアイドルの仕事だろ!?マスコミにバレたらシャレにならないぞ!?」
「それは、そうだけど……今の私は、もうただのアイドルじゃないのよ?」
「そっ、それは……そうだな……」
二人の間の雰囲気が、少し変わった。
「……いいのか?」
「まあ……その……今更でしょ?」
こうして、夜は更けていく。
二人がこの後どうしたのかは、誰も知らない。
・君のナイトとして(恭みく)
「離してくださいッ!」
腕を掴
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