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戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
伴装者ヒロピン&ナンパネタ
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な……そんな事は絶対にさせねぇッ!あの日、僕は誓った!クリスちゃんの王子様になるって……彼女を絶対に守るって!だから負けないッ!諦めないッ!」
「ほざけ!死に損ないに何が出来る?見せてみろよ、なぁ?ヒャッハハハハハ!」

(こんな時、最も有効な手は……そうだ!ルナアタック事件、翔が立花さんにやったアレなら!)

純は親友、翔が以前に似たような状況に追い込まれた事を聞いていた。

暴走した響の意識を覚醒させたその行動は、クリスの目を覚まさせる方法として、おそらく最善の手だと確信する。

「懐に入り込めれば……イチイバルに、近接攻撃方法は存在しないッ!もう暫く力を貸せッ!アキレウス!!」
「…………!?」
「うおおおおおおおおおおおおおおッ!」

アキレウスの鎧による超加速で、ガトリングの雨を掻い潜る。
クリスの懐へと飛び込んだ純は、クリスが動くよりも早く……彼女の身体を強く抱き締めた。

「!?」
「あぁ?何をするつもりだ……?」
「昔からのお約束。呪いを解くおまじない、王子様(ぼく)にのみ許された特権さ……」

そう言って次の瞬間、純はクリスの唇を奪った。

クリスの背後でふんぞり返っていたゲードは呆気に取られ5秒間、二人の邪魔をする事も忘れて立ち竦んだ。

そして──

「んっ……ぷぁ…………ッ!?ジュンくんッ!?」
「ようやく目を覚ましてくれたね、クリスちゃん」
「えっ……ハッ!そうだ、あたしは確かあの錬金術師に……」

傀儡術式が解けたことで記憶がフィードバックされ、術をかけられてから今に至るまでの全ての記憶を思い出したクリス。

彼女が純と二人で振り返った瞬間、ゲードは腰を抜かした。

「ひぃッ!?」
「なぁジュンくん……コイツ、どうする?」
「それは勿論……ね?」

「「地獄で閻魔様に土下座して来なッ!!」」

「ギャアアアアアアアアア……!!」

外道の悲鳴が響き渡り、それから数分後にはガチガチを歯を鳴して連行されて行く、哀れな錬金術師の姿があった。

そして任務後、自宅へと戻る道の途中で。

「ジュンくん……。操られていたとはいえ、あたしはジュンくんを……」
「何も言わなくていい。あれは悪い夢だったんだ……それでいいだろう?」
「でっ、でも!」
「何があっても、どんなに遠く離れてしまっても……僕はクリスちゃんを迎えに行く。クリスちゃんは僕が守るから。嫌いになったりなんてしないよ。絶対にね」
「ッ!……ありがと、あたしの王子様……」
「うん。さぁ、帰ろうか」

8年の歳月を越えて再会した姫と王子を、引き裂けるものなど存在しない。
お互いの手をしっかりと握り、二人は帰路に着いたのだった。

ff

・月光の下に(おがつば、ツェルマリ
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