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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
第二百八十三話 テストも終わってその四
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「その学校に入学出来た」
「それだけで、ですよね」
「何しろ東大に合格するより難しかったのですから」
 もうそれだけにだ。
「誰もがそう思うことでした」
「そうですね」
「この辺りのギャップもありました」
「そうでしたか」
「経理学校では最下位近くでも」
 常に追試という状態でだ。
「これは最下位の方もそうだったそうですが」
「海軍の外ではですね」
「エリート中のエリートでした」
「そうだったんですね」
「まず大佐は間違いない」  
 この場合経理大佐となる、帝国海軍は兵学校出身の人が普通の士官で期間学校を出ると機関士官となり経理学校出身となると経理士官となってそれぞれの分野を進む。艦長になれるのは兵学校出身の人だ。
「そうでしたから」
「海軍の中ではビリッカスと思われていても」
「外ではでした」
 エリート中のエリートだったというのだ。
「そうしたこともありました」
「何か難しいお話ですね」
「そうですね、それで海上自衛隊ではです」
「一等海佐位まで、ですか」
「いえ、将補まで」
 つまり将官までというのだ。
「なられました」
「そうだったんですね」
「はい、ただお話される時のお顔は」 
 それはというと。
「寂しそうでした」
「戦争がありましたからね」
 この辺りの事情は僕もわかった。
「ですから」
「そして海軍が解体されて」
「それで海上自衛隊に入らなかった人もいますね」
「そうした事情もあったからとです」
「将補になれたともですか」
「言っておられましたか」
「はい、自分みたいな成績でも」
 経理学校で最下位に近くてもというのだ。
「それでもです」
「結構そういうこと多いみたいですね」
 軍隊ではだ。
「戦争がなくても」
「どうも途中で辞めていく人も多いみたいですね」
「転職していって」
「そして残る人がです」
「昇進していくんですね」
「例え学校での成績が悪くても、ただ成績では」
 学校のそれではだ。
「わからないものです」
「成績が悪くてもってことありますからね」
「はい、ですから」 
「成績が悪くてもやる気があればよくなっていきますし」
「実際にその人は優秀だと言われていました」
「海上自衛隊の中でも」
「はい、そう言われていました」
 そうだたっというのだ。
「実際に」
「やっぱり成績じゃわからないですよね」
「こう言ってしまえば何ですが」
 小野さんは僕に考える顔でこうも話してくれた。
「まずはです」
「人は、ですね」
「はい、石の上にも三年ですが」
「そこにずっといてですね」
「ずっと努力していけば」
 それでというのだ。
「成るものです」
「そういうものですか」
「諦めず努力を続けていくと」
 
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