第十二幕その九
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「もうすぐよ」
「それでは」
ナターシャはケーキの言葉に笑顔で頷きました、そしてです。
皆でエルミタージュをモデルにした外観も味も最高のケーキを食べました、お庭もそこにある彫像も全て食べました。
そしてその後で、でした。
何ともう一つでした、エルミタージュを模したケーキが出てきました。皆そのことには驚き目を瞠りました。
そしてです、オズマが言いました。
「オズの国にヒラメのお話があるわ」
「はい、あのお話からです」
ケーキはオズマに笑顔で答えました。
「ヒントを得ました」
「そうだったのね」
「それでこうしました」
「ヒラメのお話っていいますと」
ナターシャは二人のお話にどうかというお顔になって尋ねました。
「それは一体」
「ええ、皆でとても大きなヒラメを調理して食べてね」
そしてとです、ケーキはナターシャに答えました。
「皆これで終わったと思ったらね」
「その時にですか」
「もう一匹出てきたのよ」
「ヒラメが」
「そう同じ位大きなヒラメがね」
それがというのです。
「やっぱり調理されて出て来て」
「それをまた皆で食べたんですか」
「そのお話からヒントを得てね」
「ケーキをもう一つですか」
「作っておいたのよ」
「そうだったんですね」
「そう、そしてね」
それでというのです。
「作ったから」
「だからですね」
「皆もう一度ね」
「ケーキを食べていいんですね」
「どうぞ」
これがケーキの返答でした。
「そうしてね」
「わかりました」
「まさかもう一度同じケーキが出て来るなんて」
女王は一番喜んでいます、何しろご自身の為のパーティーなので。
「最高だわ」
「その最高の気持ちをもう一度味わって頂きたくて」
「こうしてくれたのですね」
「お気に召されましたか」
「最高に」
これが女王の返事でした。
「そうなりました」
「それは何よりです」
「ううむ、楽しいことばかり続くのう」
ラゲドーもケーキを食べつつ言います。
「まことに」
「それこそがオズの国でしょ」
「そうじゃな、ここのことだけでなくな」
「それこそね」
ドロシーはラゲドーに笑顔でお話しました。
「オズの国でね」
「それでじゃな」
「このフェアリーの国もで」
「他の場所もじゃな」
「オズの国ならね」
それこそというのです。
「何時でも何処でもね」
「楽しみが続くのじゃな」
「楽しみが終わらなくて」
そしてというのです。
「飽きることもね」
「ないのじゃな」
「そうよ、だから貴方もね」
ラゲドーもというのです。
「そうなのよ」
「そういうことじゃな」
「そうよ、ただね」
「ただというと」
「貴方は暫くダンスに興じていたけれど」
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