第二章
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「トイレ近くなるからな」
「そうなんだ」
「西瓜もお水だからな」
それでというのだ。
「それでだよ」
「西瓜食べるとおトイレ近くなるんだ」
「だから行きたくなったら行けよ」
「我慢しないでだね」
「ああ、それでいいな」
「わかったよ」
「あれっ、チャコとチロは?」
早苗はここで猫達のことを思い出して周りを見て居場所を探した。
「さっきまでここにいたのに」
「ああ、そうだったな」
「クーラーつけてるお部屋に絶対に来てね」
涼しくて快適だからなのは言うまでもない。
「くつろぐのに」
「猫は人が多いの嫌がったりもするしな」
「そうなの」
「だから二匹共な」
チャコもチロもというのだ。
「別の部屋に行ったんだろ」
「そうなの」
「だからな」
それでというのだ。
「二階のどっかの部屋にいるのかもな」
「じゃあ探す?」
「別にいいだろ、どうせクーラーつけてて窓とか全部しめてるから外にも出ないしな」
二匹共家猫にして育てている。
「宴会終わったらひょっこり来るだろ」
「それじゃあ今は」
「チャコとチロもいいけれどな」
「西瓜食べてたらいいのね」
「ああ、ジュース何飲むんだ?」
「紅茶頂戴」
早苗はそばにあるペットボトル、幾つも建てられているそれを見て答えた。
「ミルクティーね」
「それか」
「うん、それ頂戴」
「じゃあな」
兄は妹に応えてそのペットボトルを手に取って妹に渡した、そうして親戚と甘いものだけでなくお喋りも楽しんだ、そして。
カルピスチューハイ、甘いそれを飲みはじめた大樹は陽太がいなくなっていることに気付いて言った。
「陽太トイレか?」
「そうじゃないの?」
早苗は西瓜をスプーンで食べつつ答えた。
「さっきから西瓜ばかり食べてたし」
「そうなんだな」
「まあすぐに戻るでしょ」
早苗はこう兄に返した。
「おしっこなら」
「そうだな、じゃあな」
「うん、今はね」
「次はぶどうサワー飲むか」
「お酒飲んでるの」
「こういう時はいいだろ、甘いお酒だとな」
ビールや日本酒は苦手だがというのだ。
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