暁 〜小説投稿サイト〜
非日常なスクールライフ〜ようこそ魔術部へ〜
第90話『告白』
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ない。


「いや〜あんなとこで堂々と…」

「違う! …いや違わないけど、誰かが見てるなんて思わないし! ほら、結月からも何か言って!」

「え!? う、うん! えっと、べ、別にキスとかしてないからっ!」


「「……」」


「……あ」


この結月の失言で場が荒れたのは言うまでもない。







「いや〜ついにあの晴登が彼女持ちねぇ〜」

「コミュ障のくせに大したもんだな」

「も、もういいだろ!」


ついに林間学校の全行程を終え、バスに乗って帰っている途中、後ろの座席の莉奈と大地に未だに同じ話題でいじられていた。今度は結月と隣同士で座っているせいで、皆からの注目も自然と集まってしまう。


「おめでとう、三浦君、結月さん」

「リア充爆発しろ」

「2人まで…」


そして前の座席に座る、狐太郎と伸太郎にまでそう言われてしまう。狐太郎は本心からの言葉なんだろうが、伸太郎はガチトーンだ。本当に爆発されかねない。勘弁してくれ。


「はぁ…」


晴登はため息をついた。
何だろう、予想してた苦労と全然違うんだが。何でこんな目にあってるんだ。ただ好きな子と付き合ってるってだけなのに。
…いや、恐らくそれだけじゃない。


「……」

「ねぇ結月、そろそろ離れてくれない?」

「…やだ」


晴登の肩に顔を埋め、耳まで紅くしている結月にそう言うと、小さい声で否定された。
どうもさっきの失言がよほど効いたらしい。バスに乗ってからずっとこの調子だ。抱きつかれることが嬉しくない訳じゃないのだが、おかげで野次馬の火に油を注いでいることも否めない。
普段は自信満々なくせに、こういう時はしっかり恥ずかしがるなんて。…そういう所も可愛いんだけど。


「で、どっちから告ったの?」

「晴登はヘタレだから、結月ちゃんからかな?」

「いや、ここで晴登からという可能性も…」


…この地獄、学校に着くまで続くのかな。

晴登は己の行く末を想像して、再びため息をつくのだった。


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