第90話『告白』
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「何でって、昨日浜辺で告ってたろ?」
「なぜそれを知って…!?」
「俺たち上から見てたからな。正確には旅館のベランダから」
「何でそんなとこに…?」
「スタンプラリーの景品だよ。特等席ってことで案内されたのさ。確かに花火がよく見えたけど、まさか浜辺にいたお前らまで見えるとは」
「そんなバカな…!」
何という因果。あのよくわからない景品が、こんなとこで痛手になるとは。
まさかあの様子を、遠目だが見られていたというのか。え、恥ずっ、恥ずかしっ!
「でも昨日、テントでは何も言ってこなかったじゃん!」
「だってすげぇ浮かれた顔してたから、いい夢見させてやろうかと黙ってたんだよ」
「そんな…」
つまり、昨日テントに戻ってからずっとそんな風に思われてたってことか。てか浮かれた顔とかしてたっけ!? もうやだ埋まりたい…。
でもどうやら彼は、浜辺の出来事を一部始終見ていた訳ではないらしい。彼の気になっている優菜の話題が出てこないのがその証拠だ。
だから落ち着ける、という訳ではないけども。
──優菜はあの後どうなったんだろうか…。
「こりゃ面白いネタを手に入れてしまったなぁ」
「あ、あの、このことは内緒に…」
「え、何でだよ。皆気になってるから別にいいだろ。てかもう広めたし」
「えっ」
今何と? 広めた? 嘘でしょ?
嫌な予感がした晴登は、即座に後ろを振り向く。
「ねぇ結月ちゃん! 三浦君と付き合ったってホント!?」
「何で知ってるの?!」
「さっき聞いた!」
「「あ…」」
そこでは結月を中心にそんな会話が繰り広げられており、そして彼女とばっちり目が合ってしまった。
「まさかハルトが?」と言いたげな目をしていたので、ぶんぶんと首を横に振って否定する。
「ねぇねぇホントなの!?」
「2人がついに!?」
「ようやくか!」
「「ちょ…」」
クラスの男子が晴登を、女子が結月を問い詰める。
次第に2人は、背中合わせになるくらいにまで追い詰められた。そんなに皆気になってたのか!?
「あ、ちなみにこれは未開示情報なんだけど、実は告った後2人は──」
「「わあぁぁぁ!!!」」
そんな時に班員の男子が追い打ちをかけようとしてきたので、晴登と結月は慌てて彼の口を塞いだ。まだ何も言っていないが、予想はできる。さすがに公の場でそれを言われるのはマズい。羞恥心が耐えられない。
「え、なになに〜?」
「何があったの〜?」
「な、何もないから…!」
「怪しい〜!」
しかし女子たちの食いつきが思ったより強く、中々話題を逸らせ
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