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非日常なスクールライフ〜ようこそ魔術部へ〜
第90話『告白』
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くなるかもしれない。
それがわかっていて、優菜は提案しているのだ。ずるい、というのは間違っていないかもしれない。


しかしその時、新たな足音が聞こえてくる。


「…時間切れ、ですか」

「結月…」


振り向くと、そこには困惑した表情を浮かべた結月が立っていた。それもそうだろう。約束していた相手が、別の女子といたのだ。驚かない訳がない。


「……っ!」

「あ、待って!」


結月は少しずつ後ずさったかと思うと、そのまま無言で走り去っていった。晴登は慌ててその後を追おうとするが、その手を後ろから掴まれる。


「向こうからいなくなってくれたんです。これでいいじゃないですか」

「そんな…」


優菜の言い草に、晴登は少し腹が立った。人の約束に介入しといて、その態度は身勝手すぎる。


「…晴登君は私の何が不満なんですか? 頭もいいし、運動もできる。おまけに可愛い。自分で言うのも何ですが、かなりの優良物件だと思うんですけど」


彼女はそう訴えかけてきた。晴登を留めようと必死なのだろう。
これに関しては、晴登も否定することはしない。事実、彼女の能力は優秀だし、容姿も申し分ない。そんな彼女と付き合えるとしたら、さぞかし幸せな日々を送れることだろう。


「…ごめん」


それでも晴登には、目を逸らしてそう伝えるのがやっとだった。
当然彼女は納得してくれず、掴んでいる手に力が入る。


「…どうしてですか。結月ちゃんより先に、私は晴登君のことを好きになっていたはずなのに! どうして!」

「…ごめん」

「ごめんじゃ納得できません! だったら初めから、私の付け入る隙を与えないでください! 期待させないでくださいよ!」

「……ごめん」


これ以上、何を言ったらいいのかわからない。だから彼女の悲痛な叫びに、一言だけそう返した。
すると彼女の身体がふるふると震え始める。


「どうして結月ちゃんなんですか…? 私が魔術を使えたら、結果は違ったんですか…?」

「……」

「よく考えてください晴登君。今はいいかもしれませんが、あの見た目は今後絶対に悪目立ちします。晴登君のことを思って言っているんですよ? 私みたいな"普通の女の子"を選べば──」

「……ホントに俺のことを思ってるなら、そんなこと言わないでよ」

「あ……」


晴登は優菜の手を振り払った。
そこでようやく彼女は冷静になって、今のが失言だと気づいたのだろう。気まずそうに優菜は俯いた。


「結月だって…普通の女の子だよ。髪が白くても、魔術が使えても、……人じゃなくても、それでも普通の女の子だ。だから、結月をバカにするのは誰だろうと許さない」

「……
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