第百四十六話 大戦艦その十二
[8]前話 [2]次話
「その可能性はあった」
「だがジャガイモはある」
「そして三圃式農業もな」
「それだけで全く違う」
幾ら他の地域に比べて文明や技術のレベルが低くてもというのだ。
「有り難いことだ」
「そうだな」
「それに気候もだ」
ユゴーも言ってきた。
「まだましだ」
「少なくとも不作にはなりにくいな」
「寒くともな」
「その分も有り難いな」
「全くだ」
ユゴーはヘッセのその言葉に頷いた。
「それだけな」
「暮らしやすい」
「何とか五億の人口を養えている」
「何とかにしてもな」
「それを何とか、からな」
さらにというのだ。
「上げていきたいな」
「全くだな、このままではだ」
どうにもというのだ。
「駄目だ」
「欧州からのこの世界を統一なぞ出来ない」
「枢軸は統一されている」
マロリーはこの勢力のことを話した。
「そして強力な統治によって発展しようとしている」
「そうだな」
「今話した太平洋と地下世界もな」
マロリーはセルバンテスに応えてさらに話した。
「統一まで秒読みとなった」
「まだどの勢力が覇者になるかわからないにしてもな」
「十人の神星の者の下に多くの星の者が集う」
「星の者の四分の三がいるな」
「確かに人口は膨大で領土も広いが」
即ち治めるべき対象が実に巨大だがというのだ。
「あの十人とあれだけの星の者達がいる」
「人材は確かだからな」
「だからだ、間違いなくあの地域を治めてだ」
「発展させるな」
「これまでより遥かにな」
「そうだな」
セルバンテスはマロリーのその言葉に頷いた、そうしてそのうえでコーヒーを飲みつつ確かな口調で話した。
「彼等ならやる」
「特にあの十人だな」
アルギエーリも太平洋の神星の者達について述べた。
「やはり」
「あの十人が大きいな」
「何といってもな」
アルギエーリはヘッセにも話した。
「太平洋と地下世界はこの世界第一の勢力となる」
「間違いなくな」
「その彼等にも対する為に」
「我々もだな」
「統一を急がねばならない」
「それがまだまだ先のことでも」
「一歩一歩な」
例えその一歩が遅く短いものでもというのだ。
「進めていってだ」
「ことを進めていかねばならないな」
「そうだ、その為にお互いにやっていこう」
「将来を見据えてな」
こうしたことを話してだった。
五騎星の者達は世界を見据えつつ自分達そして欧州がどうあるべきかを考えていた、彼等もまた動いていた。
第百四十六話 完
2020・1・15
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ