第二百七十一話
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第二百七十一話 漫画家というもの
カーミラハ笑ってさらに話した。
「手の疲れ方を見ると」
「そこですか」
「そこでもおわかりですか」
「あの人のお仕事が」
「ええ、ずっとペンを使っていて」
そしてというのだ。
「それがパソコンでもね」
「絵を描いていた」
「それがおわかりですか」
「ご主人には」
「最近小説はワープロやパソコンで書くわね」
パソコンの場合はメモ帳なりワードパッドなりを使う、エクセルで書く場合もあるにはあるという。
「そうね」
「はい、確かに」
「今は原稿用紙に手書きではないですね」
「もうそうした時代ではないですね」
「かつてと違って」
「その場合両手の指と手が疲れるけれど」
それがというのだ。
「さっきの人は片腕、それも親指と人差し指と中指がね」
「疲れていましたか」
「それで、ですか」
「漫画家とおわかりですか」
「今そのことを思い出して」
そしてというのだ。
「分析してみているけれど」
「同じ手を使うお仕事でもですか」
「それぞれ違うのですね」
「使う場所が」
「そうよ、あとゲームをしていれば」
その場合はというと。
「両手の親指と人差し指、中指よ」
「合わせて六本ですか」
「それが疲れる」
「そうなのですね」
「それでわかるわ、あの人は漫画家で」
それでというのだ。
「ずっとお仕事をしていてね」
「夜に何か買いに行った」
「コンビニエンスストアまで」
「そうされたのですね」
「そうよ、漫画家も大変ね」
カーミラはこうも言った。
「人は普通は寝る時間なのに」
「その時まで起きてお仕事とは」
「確かにそうですね」
「大変ですね」
使い魔達も頷いた、それは確かにと言ってだった。主を護る様にして彼女との散歩を続けるのだった。
第二百七十一話 完
2020・6・11
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