第100話 姉妹 後編
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た。
彼女とて好きで今回の策を押し進めている訳ではない。
全ては正宗様の陣営を確固たるものにするために頑張っているのだ。
それは風も稟も同じだろう。
軍師にできるのは自軍にとって最善を選ぶだけだ。
「これで私も静かに謹慎をすることができます」
正宗様の表情を察するに渋々、今回の策を受け入れている様子だった。
だが、渋々でも今回の策を受け入れて下さった。
「正宗様、今回の烏桓族討伐は消極的なものになりますが、難楼は可能ならば討ち取ってください。ですが、無理は禁物です。難楼を討伐できずとも、戦力を削れば上々です。難楼を討伐すれば、周囲で略奪行動をする烏桓族は大人しくなるはずです」
私は正宗様に今回の討伐で重視していることを告げた。
「分かっている。当初の目的通り、難楼の首は獲るつもりだ。だが、首を獲るかは難楼に会ってから決める」
正宗様はもう迷いを払ったのか、私を真っ直ぐに見つめて言った。
「そうですか。お任せいたします。ですが、正宗様が飼えぬ犬と少しでも思われたら、情けは禁物です」
難楼がただの賊でないなら、自軍に引き込む気なのだろう。
それならそれでもいい。
難楼が正宗様に忠誠を誓うと言うなら、上谷郡周辺の烏桓族を恭順させるのは容易くなる。
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