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真・恋姫†無双 劉ヨウ伝
第100話 姉妹 後編
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表情で熱く語ってきた。

「正宗様には10年、20年先を見据えていただかなければいけません。今の我らが勢力を築きつつ、地盤を確固たるものにするには選択肢は多くはない」

私は正宗様のことを考え、しみじみと口にした。

私とてできることなら、時間を掛けずに烏桓族を討伐したい。

だが、それでは幽州どころか冀州を失いかねない。

冀州と幽州が正常不安であればこそ、皇帝陛下は正宗様を中央に招聘なされない。

現皇帝がお隠れになるまでに、この地の地盤を盤石なものとし、幽州へ影響を広げなければいけない。





私と冥琳殿が会話をしていると、正宗様と風、稟が部屋を訪れた。

「冥琳も来ていたのか?」

正宗様は私の部屋に冥琳殿がいることに少し驚いていた。

それは、他の2人も同様だった。

「これは驚いたのです〜」

「冥琳様もこちらにいらしゃっておいでだったのですね」

「正宗様、先に来て居りました。今日の話には私も参加させていただきます。風、稟もよろしく頼む」

「いえいえ〜、こちらこそ〜」

「こちらこそ、よろしくお願いします」

私は各々に椅子を進め、侍女にお茶と茶菓子を頼んだ。

侍女は手際良くお茶を各人に配膳すると去っていった。

私は侍女の気配が完全に無くなると同時に口を開いた。

「それでは烏桓族討伐の戦略の概要に説明させていただきます」

その後、半刻程掛け、烏桓族討伐の戦略の概要を説明した。

その間、風と稟から矢継ぎ早に質問を受け、それに私と冥琳殿が応えた。

正宗様は私達の話をただ黙って聞いていた。






沈黙を守っていた正宗様が口を開いた。

「幽州の民が苦しむのをただ見ていろというのか?」

正宗様は感情の篭らない視線を私に向けた。

「それは違います。漢の民を襲う烏桓族の息の根を止めずに、程よく叩くと言っているのです」

「正宗様、これは必要なことなのです。この冀州を我らの地盤にするためには、幽州を政情不安とし、正宗様が彼の地に不可欠と民だけでなく、中央にも思わせなければいけないのです」

私と冥琳殿は間髪いれずに、正宗様に説明をした。

「そのために、民を苦しめる烏桓族を見逃せというのか! 戦費とてただではない。戦時となれば、各郡に戦費の拠出を強要させることができるといっても、その戦費は結局のところは民が拠出するものになる。何故、民を苦しめる為に民の金を使わねばならない!」

正宗様は私達の考えに腹を立て、大声を張り上げた。

「将来、正宗様が幽州を納め豊かな土地にすれば、民はその恩恵を受けることができるのです。それとも、凡庸な官吏に彼の地を納めさせ、飢えに苦しむ民をただ傍観なさりますか?
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