第四章
[8]前話
「本当にね」
「そうよね」
「そう、だからね」
それでというのだ。
「仕方ないわ」
「そうなの」
「そう、それとね」
「それと?」
「今日来てくれて私もトミも喜んでるからね」
だからだとだ、京香は奈美に話した。
「ゆっくりしていってね」
「ええ、じゃあ」
「それでお家は」
「お父さんは働いてお母さんも元気になって」
「明るくなったのね」
「私もね」
「それはよかったわね」
京香は奈美のその言葉を聞いて微笑んで述べた。
「本当に」
「辛いことって終わるのね」
「そうよ、幾ら辛くても」
それでもというのだ。
「絶対にね」
「終わって」
「それでまた幸せに暮らせるの」
「そうなのね」
「だからね」
それでというのだ。
「奈美ちゃんも明るくなれたのよ」
「そのことよくわかったわ」
「それはよかったわ、じゃあこれからね」
「今日はなのね」
「ずっとここにいて。何なら泊まって」
そうしてというのだ。
「トミと一緒にいてね」
「そうしていいの」
「奈美ちゃんがそうしたいなら」
「それじゃあ」
奈美はすぐに携帯を取り出してそうして母に連絡をした、それが終わってからあらためて京香に言った。
「泊まっていいって」
「じゃあ今日はね」
「トミと一緒に」
「楽しい時間を過ごしてね」
「そうさせてもらうわね、トミもそうしていい?」
「キャンキャン」
トミは嬉しそうに鳴いて応えた、そうしてだった。
奈美は久しぶりに彼と楽しい時間を過ごした、その顔は眩しいまでに明るい笑顔だった。
沈んだ家庭から 完
2020・8・25
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