三十九 好敵手
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。
それもそのはず。
てっきり主人を乗っ取られた仇討ちでもするのかと思ったカブトが、何故かサスケに感謝しているのだから。
「さっきの物言いからして、お前の主人は別にいるということか?」
「さて?君にはもう関係ないことだろう?」
警戒心を露わに睨み据えるサスケを、カブトは飄々とした顔で見返した。
回想に耽り、かつての本当の主であるうずまきナルトとの出会いを思い返していたカブトは、意味ありげに視線を轟音が聞こえてきた方向へ向ける。
「それより…いいのかい?君のかつてのお仲間は」
押し黙り、動こうとしないサスケが腰に手をやる。
腰の刀の柄に指が触れる直前、カブトは言葉を続けた。
「僕の巻物に保管しておいた十五・六歳の男の遺体…それのストックが足りなくなってね。だから南アジト監獄の彼女を呼び寄せたんだよ」
サスケの指がピクリと反応する。
里を抜けた自分について来て、南アジト監獄を任された同じ木ノ葉の彼女を思い出し、サスケは益々顔を険しくさせた。
「元・木ノ葉で抜け忍が、仲間だった木ノ葉の忍びと鉢合わせしたら…」
カブトの言葉の続きを、サスケは待たなかった。
すれ違い様に、チッと舌打ちする。
足早に立ち去り、轟音がした方向へ向かうサスケの後ろ姿を見送り、カブトはやれやれと肩を竦めた。
木ノ葉の忍びとサクラが対戦しているこの騒ぎに乗じて、サスケに大蛇丸を乗っ取らせたことだけでなく、この場から立ち去ってもらえるようにサスケを誘導させた彼は、軽く息を吐く。
不意に、聞こえてきた話し声を耳にして、カブトは壁際に身を寄せ、息を潜めた。
話の内容を興味深げに聞く。
壁際で身を潜ませながら、思案顔を浮かべていたカブトは心の内で静かに謝罪した。
(すみません、君の許へまだ帰るわけにはいかなくなったようだよ────ナルトくん)
一途にナルトに従う故に、彼の為になるであろう事柄は率先して行う。
だからこそ、カブトはあえて姿を現した。
『根』の創始者────ダンゾウを打倒する計画を企てているサイとシンの前に。
「その話…僕にも詳しく教えてくれないかい?」
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