第三章
[8]前話
「ロン!?」
「ワンワンワンッ!」
そして犬写真でのロンの姿そのままのその犬もだった。
義母を見ると尻尾を激しく振って彼女のところに来た、そして身体を摺り寄せてきた。保健所の人はその子犬を見て言った。
「この子気難しくて懐かないんですが」
「それでもですか」
「すぐに懐きましたね」
義母にというのだ。
「こんなことがあるなんて」
「この子にします」
義母は保健所の人に言った。
「そうさせてもらいます」
「そうですか、可愛がってあげて下さいね」
「そうさせてもらいます」
こうしてだった、その犬雄の雑種というところもそっくりだった犬は針谷家に引き取られた、そしてロンと名付けられて。
そうして一緒に暮らしはじめたが。
ロンは義母に一番懐き散歩も彼女と一緒に行く時が一番上機嫌でご飯や水をあげる時も遊ぶ時もだった。
義母と一緒にいる時が一番嬉しそうだった、それでだった。
義母は楓に家で一緒にお茶を飲んで居る時に話した。
「あの子は生まれ変わりね」
「ロンのですか」
「絶対にね」
そうだというのだ。
「間違いないわ、それでね」
「あそこで再会したんですね」
「保健所でね」
まさにそこでというのだ。
「そうだったのよ」
「そうですか」
「こうしたことってあるのね」
義母は楓に微笑んで話した。
「本当に」
「生まれ変わりは」
「ええ、だからね」
それでというのだ。
「これからもロンとね」
「一緒にですね」
「暮らしていくわ。生まれ変わってまでしてまた来てくれたから」
だからだというのだ。
「これからもね」
「一緒に楽しくですね」
「暮らしていくわね」
お茶を飲みながら笑顔で話した、そうして縁側に出て犬小屋からロンを出して遊んだ、義母もロンもとても楽しそうだった。楓にもそのことがわかった。
生まれ変わってきた 完
2020・8・24
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