十話 ボス部屋
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の方は声にならない恐怖がこみあげていた。
―――これがキリトとアスナが逃げ出していた理由か!
恐怖を紛らわせるためにそんなことを考えた。
「ロ、ロアぁ……」
ふと後ろを振り返ると、アクが我慢の限界とでも言うように涙を少し貯めた目で僕を見る。
「……そろそろ、離脱しようか。アク」
すると、アクはぶんぶんと首を縦に振った。
そうしてボス部屋を後にした僕等だったけど、アクはまだ恐怖が抜けておらず、僕のコートの裾を掴んでいる。
僕も放心状態だから二人でゆっくり歩く。
幸いというべきかモンスターには一回もエンカウントせずにいた。
ただ、軍に出くわした。
軍の中佐のコーバッツとか言う男にマッピングデータを渡せ的なことを言われたけど断ったら、
「……そうか。ではさっさとこの迷宮から出ていくことをお勧めする」
って腹立たしいことを言われた。
「なんだよ、アイツ」
そう僕がぶつくさ言っていると
「……今の人達から、悪い予感がする」
ようやく放心状態から立ち直ったらしいアクが唐突に言った。
「い、今の人達って、軍の事?」
「……うん」
「………………マジか」
「……うん。マジ」
ヤバイ。
もしかしたら軍はたった一部隊でボスに挑むのかもしんない。
僕等は歩いてきた道を敏捷パラメーター全開で走り抜けている。(アクは僕に気を使って全力じゃないけど)
リザードマンやデモニッシュ・サーバメントなどと出くわしながらも走った。
「あぁぁぁぁぁ…………」
―――前方から悲鳴が聞こえた。
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