十話 ボス部屋
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進むにつれ、空気が変わって来た。
「……ロア、これって、もしかして…」
いつもと違い、少々緊張している様子のアク。
「あ、う、うん。多分だけど」
僕も多分だけど、あそこ(・・・)が近いのを感じていて、緊張している。
「「……ボス部屋が………近い……!」」
緊張してきて、次第に口数が減ってきた。
ボス部屋の前にやってくると、アクが口を開いた。
「……遅めのお昼とろうか。もう、三時だし」
「うん……そ、そうだね……」
まだ黙ったまま、アクは黙々とストレージからお昼ご飯を取り出す。
「「…………」」
そう言えば何で黙りこくってしまったのだろう。
ボス部屋が近いからって言うどうでもいい話だった気がする。
「……ん」
アクがお昼ご飯を僕に渡してくれる。
流石に沈黙が耐えられなくなって、僕はアクに話しかけることにした。
「「……あ、あの、さ………」」
ピッタリ声が重なった。
僕等はしばし顔を見合わせ、
「「え?」」
とまた声がピッタリ重なった。
「ぷっ」
アクの漏らした声がトリガーとなって
二人で笑いあった。
それから少しして、
「……お昼ご飯、食べよっか」
僕はアクにそう言う。
アクは黙って首を縦に振る。
「いただきます」
「……いただきます」
アクが用意したサンドイッチをペロリとたいらげる。
「……はや」
「そう言うアクも、もう食べ終わっているじゃん」
結局二人揃ってすぐに料理を平らげてしまった。
「……だ、だって…ボス部屋が前にあるし、ロアはもう食べ終わっているし」
アクがごにょごにょと言い訳をする。
こんなアクを見れるのはレアだからにっこり笑ってしまう。
「……〜〜〜っ/////……ボ、ボス部屋、て、偵察!」
恥ずかしくなったのか、アクはボス部屋の前にいそいそと立つ。
「はいはい。あ、転移結晶準備しといて。念のために」
そう言って、僕は自分のポーチから転移結晶を準備する。
アクの方を見ると、もう既に準備している。
目を合わせ、二人で頷き会ってからボス部屋の扉を開ける。
ギギギギギギ……
と古びて錆びたような音がする扉を開け切っても、何も出ない。
「あれ?何もいないね」
「……うん。………い、嫌な予感がする」
「嫌な予感?」
こういう時のアクの予感は的中する。
部屋に入ろうとした右足を引っ込めた―――その瞬間
青い炎が壁に掛けてあるたいまつにボッボッボッとつく。
大きな青い巨体が動き出した。
思わず僕等は一歩下がる。
アクが僕のコートの裾をぎゅっと掴む。
――――青い巨体の固有名詞は《The Gleameyes》
僕たちが突っ立っているのに気付くと轟くような雄たけびを上げ、
僕等に迫って来た。
「……ひっ」
アクが小さく悲鳴を上げた。
僕
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