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レーヴァティン
第百六十八話 美濃入りその五

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「とんでもないことになるぜよ」
「西の浮島では久志達は徹底してペストにあたっている」
「街を奇麗にして下水道を整えてるそうじゃな」
「その様にしてだ」
「ペストを防いでいるのう」
「俺達もそこは気をつけていてだ」
「綺麗にしていてな」 
 それでというのだ。
「ペスト等は防いでいる」
「他の疫病もな」
「そして牛痘を取り入れてな」
 こうもしてというのだ。
「天然痘も防いでいる」
「それぜよ、この世界にもう牛痘があってじゃ」
「よかったな」
「あれがないと」
 それこそというのだ。
「天然痘が流行ってだ」
「大変なことになるぜよ」
「虫がもたらす疫病も怖いが」
 そしてペスト等もだ、尚ペストは鼠が媒介であるが正確に言うと鼠に寄生しているダニが問題なのだ。
「しかしだ」
「天然痘もじゃな」
「その天然痘をなくしている」
「それも大きいぜよ」
「あれが流行るとな」
「復活出来てものう」
「多くの者が長い間動けなくなる」
 もっと言えば寿命ならそこで死んでしまう。
「そうなるからな」
「だからぜよ」
「あの病気も防いでだ」
 そうする様にしてだ。
「幕府の国力は高まっている」
「そうじゃのう」
「だからだ」
「これからもじゃな」
「牛痘は使っていく」
「民達にのう」
「そうして天然痘を防ぐ」
 その様にしていくというのだ。
「これからもな」
「そういえばこの浮島あばたの多い人もいるとよ」
 香織はこのことを指摘した。
「あれは天然痘のせいたい」
「あの病に罹るとだ」
「助かってもたいな」
「顔一面にそれが残る」
 あばた、それがというのだ。
「昔はそうした人もいたというが」
「この世界ではまだ天然痘があるとよ」
「だからだ」
 その為にというのだ。
「あばたがある人もいる」
「そうたいな」
「俺達の世界では天然痘は根絶されている」
 このことには日本の笹川財団がかなりの貢献をしたという。
「しかしだ」
「この世界ではまだたいな」
「少なくとも二つの浮島ではな」
「まだたいな」
「だからだ」
「牛痘を使っていくたいな」
「そうしていく」
 これからもというのだ。
「そして狂犬病もな」
「気をつけていくたいな」
「あの病気は恐ろしい」
 狂犬病もというのだ。
「だからな」
「気をつけていくたいな」
「こちらでも薬があるからな」
「それを犬や猫に打っていくたいな」
「そうして出来る限りな」
「減らすたいな」
「そうしていく」
 こう言ってだ、英雄は。
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