第百六十八話 美濃入りその一
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第百六十八話 美濃入り
英雄は美濃そして尾張を完全に手中に収めた、まだ軍勢はこの二国に入っていなかったが二国の国人達は幕府の大軍と様々な虚実入り混じった話に惑いそうして降ったのだ。英雄はそのまま軍勢を動かし。
遂に美濃に入った、ここで彼は言った。
「既に三河や信濃の国人達も降ってきているな」
「はい、徐々にですが」
「三河や信濃の西の国人達がです」
「降ってきています」
「既に木曾はほぼ我等の領地になっています」
「この地域の国人達が降り」
「いいことだ、では信濃には容易に入られる」
木曾が領地に入ったならとだ、英雄は述べた。
「そしてそこからだ」
「さらにですね」
「信濃に兵を進めてですね」
「そうしてですね」
「そのうえで、ですね」
「信濃の全土をだ」
そうした場所をというのだ。
「手に入れたい、だがその前にだ」
「飛騨ですね」
「あの国を手に入れていきますか」
「美濃の上にある」
「あの国ですね」
「あの国から越中つまり北陸に進める」
次の目的の場所にというのだ。
「越中にな、それに小さく山に囲まれている国だが」
「良質な木が多くありますし」
「そしてよい牛を育てられます」
「だからですね」
「あの国もですね」
「手に入れてだ」
そしてというのだ。
「幕府の領地とする」
「左様ですね」
「では信濃よりもですね」
「先にあの国を手中に収める」
「そうしますね」
「そうする、だがあの国の国人達も降ってきている」
その彼等もというのだ。
「その状況を見るとな」
「既に飛騨の国人の半分が幕府に降りました」
「そして残り半分の国人達もです」
「降ろうとしている者が多いです」
「ではですね」
「待っていればだ」
そうしていればというのだ。
「もうだ」
「飛騨の全ての国人達が幕府に降る」
「そうなるからですね」
「それで、ですね」
「我々としてはな」
英雄は落ち着いた声で言った。
「あの国に兵を進めることはな」
「ない」
「左様ですね」
「今のところは」
「有り難いことにな、兵を動かさずに国が手に入るならな」
それならというのだ。
「やはりな」
「最善ですね」
「飛騨にしても」
「それでことが済むなら」
「そうだ、だからだ」
それでというのだ。
「飛騨が手に入れば本格的にな」
「信濃ですね」
「あの国に入りますね」
「そうしますね」
「必ずな、そしてだ」
そのうえでというのだ。
「信濃の後は甲斐だ」
「その甲斐ですが」
ここで謙二が言ってきた。
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